中動態の世界
2025-02-28 11:24:56

國分功一郎著『中動態の世界 意志と責任の考古学』文庫化で新たな気づきへ

國分功一郎、待望の文庫化新刊『中動態の世界 意志と責任の考古学』の魅力



2025年3月28日、國分功一郎の新しい文庫『中動態の世界 意志と責任の考古学』が発売される。この書籍は、著者が提唱する“中動態”の概念を基に、現代人の思考と自由について深く考察された作品だ。

中動態とは何か?



いま私たちが教育で学ぶ文法では、行為の主体を「能動」と「受動」に分けることが一般的だ。しかし、著者は日本の哲学界で忘れ去られた“中動態”に注目する。この概念はインド=ヨーロッパ語族の中に存在し、能動と受動の垣根を越えた行為を示すものである。例えば、「誰かを好きになる」という感情。そして、意図せず芽生えたこの感情は、果たして能動的か受動的か?この問いかけに対し、著者は中動態の観点からアプローチすることで、より豊かな理解を提示している。

従来の考え方に新たな光を



本書では、依存症当事者との対話や実際の経験から得た洞察を基に、私たちの思考がいかに「する」か「される」かという二元論に囚われているのかを探る。著者はこの考え方を脱却し、自由な理解の可能性を開くために、中動態を手がかりにしている。単行本として初めて発表された際には大きな反響を呼び、紀伊國屋じんぶん大賞や小林秀雄賞などを受賞し、その価値を証明した。

スキャンダルな責任論を探求



文庫版では、補遺として「なぜ免責が引責を可能にするのか──責任と帰責性」と題された新章も収められた。ここでは責任とは一体何か、そしてそれをどう捉えるべきかを深く探求している。著者は時間を経て、さまざまな人々との対話を通じて、新たな視点を得て、責任についての洞察を提供する。この新たな責任論は、現代社会における歪みを指摘し、個人の意志と社会的責任の関係を問い直すものである。

『暇と退屈の倫理学』の成功体験



國分功一郎氏の名を広めたきっかけとなったのが、文庫版『暇と退屈の倫理学』である。本書は20代から40代の読者に支持され、累計40万部を超える売上を誇る。この成果は、哲学書としては異例のものであり、2022年・2023年の連続で「東大・京大で一番読まれた本」として名を馳せた。

現代の消費社会において、退屈と気晴らしの関係性についての考察が、幅広い読者層に共鳴したのだ。本書は、ただの哲学書を越えた深い内容により、生活の中での思考の変化を促している。

まとめ



3月28日に発売される『中動態の世界 意志と責任の考古学』は、現代社会における弊害を考察へ導く一冊である。中動態という失われた概念を通じて、私たちの自由を探求する国分氏の哲学は、新たな思考の扉を開くだろう。この機会にぜひその内容に触れてみてほしい。

著者・國分功一郎の業績と哲学的アプローチは、多くの人々に影響を与え続けている。彼の提唱する思想は、私たちにとってかけがえのない啓示となるはずだ。


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会社情報

会社名
株式会社新潮社
住所
東京都新宿区矢来町71
電話番号
03-3266-5220

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