Abbottがアイルランドに新たな製造施設を開設
アメリカ・イリノイに本社を置くグローバルヘルスケア企業Abbottが、この度アイルランドのキルケニーに最先端の製造施設を開設し、その役割として糖尿病ケア製品のグローバル製造拠点として機能させることを発表しました。この新施設は800名以上の雇用を生み出すことが期待されており、アイルランド経済にとって大きな影響を与えるでしょう。
開設の式典には、アイルランドのSimon Harris首相およびAbbottの会長兼CEOであるRobert Ford氏が出席し、その重要性を強調しました。Harris首相は、Abbottがアイルランドにおいて長い歴史を持つ企業であり、新施設が最新の製造業を支えるポイントになると述べました。
大規模な投資プロジェクト
今回のキルケニーの施設は、Abbottがアイルランドで実施した総額4億4,000万ユーロの投資プロジェクトの一環として設けられるものです。このプロジェクトには、同社がフォーカスしているドニゴール拠点の拡張も含まれており、こちらでも200名の新しい雇用が創出される見込みです。新設されるキルケニーの施設の面積は30,000平方メートルを誇り、最先端技術で開発された「FreeStyleリブレ 3」の主な製造拠点として機能します。
「FreeStyleリブレ 3」は、糖尿病患者にとって画期的な製品であり、世界で最も小型のセンサーを搭載しています。
施設の効率性と持続可能性
新しい製造施設は、持続可能性を重視して設計されており、電力のみで稼働することが計画されています。具体的には、6台の空気熱源ヒートポンプを使用し、約600枚のソーラーパネルが屋上に設置される予定です。さらには、雨水を収集するためのタンクも設けられ、環境に配慮した運営を行う姿勢が明確です。
教育への支援
Abbottは今回の施設開設に加え、アイルランドへの支援の一環として「The Ireland Funds」に新たに10万ドルを寄付することも発表しました。この資金は、奨学金プログラム「No Mind Left Behind」の一環として、2024年の卒業生3名に対して高等教育の支援を行う予定です。これは、STEM分野でのキャリアを目指す若者を後押しするAbbottの取り組みとも一致しています。
アイルランド国内で10の拠点
Abbottの新拠点開設に際して、Michael Lohan長官もその経済的貢献を称賛し、今回の新施設で生産される「FreeStyleリブレ」が持つ意義について触れました。Abbottは、アイルランド国内に10の拠点を法律し、そこでは診断、医療機器、栄養分野の事業が行われています。これらの拠点は、同社が掲げるミッションの実現において重要な役割を果たしています。
今後の展望
Abbottはアイルランドの他、イギリスのオックスフォードシャー州ウィットニーにも8,500万ポンドの投資を計画しており、製造能力の強化を図っています。現在、「FreeStyleリブレ」は60カ国以上で使用されており、600万人を超える糖尿病患者の健康管理を支援しています。これにより、より多くの人々が健康であるための選択肢を持たせることが期待されています。
この新施設の開設は、Abbottが持続可能なヘルスケアの未来に向けた大きな一歩であり、糖尿病ケアの分野においてますます重要な役割を果たすことが予測されます。