先延ばしグセを克服するための科学的アプローチを提案する新刊

先延ばしを打破する本『すぐやる人の頭の中』

近年、自己啓発や目標達成に関する書籍は数多く出版されていますが、その中でも特に注目されているのが、外山美樹氏の著書『すぐやる人の頭の中』です。ダイヤモンド社から7月9日に発刊されたこの本は、心理学を基にした実践的な目標達成法を解説しており、先延ばしグセを持つ多くの人々に向けたアドバイスが詰まっています。

やる気に依存しない目標の立て方

著者は筑波大学の教育心理学の教授であり、20年以上にわたってモチベーションや目標達成の研究を続けてきました。本書では、「やる気に頼らずに目標を達成することが可能である」と主張し、具体的な方法を提示しています。例えば、多くの人が「資格試験に向けてたくさん勉強しよう」と決意するものの、実際にはなかなか行動に移せないという課題があります。この場合、問題は自制心が欠如しているためだと思われがちですが、著者は心理学的見地から、やる気は長続きしないものだと説明しています。

目標に対するアプローチは、個々人の思考タイプによって異なることが指摘されています。一般的に「資格試験」に取り組む場合、獲得型と防御型に分かれることが多いですが、これらの違いに応じて行動計画を変更することが成功への近道です。獲得型は「良いパフォーマンスを引き出すためにどうするか」を考え、一方で防御型は「悪い結果を避けるにはどうするか」を重視することが効果的です。

本書の目次と構成

本書は計6日間の講義形式で構成されており、各講義では以下のようなテーマが扱われています：

1. 行動を起こせない理由
2. 三日坊主を克服する方法
3. 行動を自然に引き出す計画術
4. 無意識の力を活用した行動活性化
5. 進捗管理の心理的効果
6. モチベーションを高めるためのフォーカスの変え方
7. 誘惑に打ち勝つ方法

これらの講義を通じて、読者は徐々に自身の行動を見直していくことができ、最終的には充実した人生を実現するための手助けとなるでしょう。特に「早く行動したい、けれども動き出せない」と感じている人には、その課題解決のヒントが多く含まれています。

外山美樹氏の功績と今後の展望

外山氏は多くの著書を持つ著名な専門家であり、彼の研究は教育心理学の分野において高く評価されています。『勉強する気はなぜ起こらないのか』や『実力発揮メソッド』など、数々の著作は、行動心理学に基づいた具体的なアドバイスを提供しており、教育界にとどまらず、多くのフィールドで活用されています。本書『すぐやる人の頭の中』もまた、その名に恥じない内容となっており、今後の自己啓発書の中でも確固たる地位を築くであろうと期待されています。

まとめ

『すぐやる人の頭の中』は、モチベーションの専門家である外山美樹氏が提供する、科学的な根拠に基づいた先延ばし克服法を解説しています。仕事、勉強、ダイエットなど、幅広いシーンで役立つ実践的なアプローチを学びたい方にとって、ぜひ手に取ってほしい一冊となっています。先延ばしグセを克服し、より良い未来を手に入れるための第一歩として、本書をお勧めします。