インドネシアでの国際協力研修が若者たちに与えた影響とは?
2023年度、独立行政法人国際協力機構(JICA)による「国際協力中・高校生エッセイコンテスト」の受賞者を対象とした海外研修が、インドネシアで行われました。この研修には、日本全国から選ばれた14人の中・高・大学生が参加し、国際協力の意義を深く学ぶ貴重な機会となりました。
今回の経験には、尾木ママこと尾木直樹氏が同行し、学生たちは様々な国際協力の現場を視察しました。この研修の目的は、国際社会における日本の役割や、自分たちが何をすべきかを考え、その考えを行動に移すことです。
国際協力の現場視察
研修の初日、生徒たちは「ジャカルタ都市高速鉄道(MRT)」の建設現場を訪れました。地下鉄トンネルの工事を間近で見学し、清水建設とインドネシア企業が共に作業する姿を目の当たりにしました。インドネシアの作業員が「大変だけどやりがいがある」と笑顔で語る姿に、両国の信頼関係の重要性を実感しました。また、実際に運行中のMRTにも乗車し、都市の発展を肌で感じました。
次に訪れたのは「ジャカルタリサイクルセンター」。ここでは、リサイクル活動が地域住民に支えられながら進められ、一つ一つのごみが資源へと生まれ変わる過程を見学。参加者たちは、地域社会の協力が不可欠であることを強く印象に残しました。また、JICA海外協力隊が支援する小学校では、生徒たちと共にエコアクションを考える時間もありました。
現地の学生との交流
研修の中で、現地の高校を訪問し、インドネシアの伝統舞踊による歓迎を受けました。その後、日本側からは民謡「ソーラン節」を披露し、共に踊ることで、言語や文化を超えた交流が生まれました。各自がインドネシア語で自己紹介を行ったり、自分の地域の文化について英語でプレゼンテーションを行う場面もあり、学生たちは国際理解を深めていきました。
最終日には、一般家庭を訪問し、手作りの料理での温かいおもてなしを受けました。言葉の壁を超えて、相手に伝えようとする姿勢の中から、共感力や相互理解の重要性を学んだ参加者たちは、強い感銘を受けました。
残留日本兵の歴史に触れる
研修の一環として、参加者たちはジャカルタにある残留日本兵の歴史資料館を訪問しました。この場所では、戦後もインドネシアに残り、独立戦争に参加した元日本兵の家族からお話を伺うことができました。彼らの生活や選択に関連する紀録映像を通じて、教科書では得られない歴史の一端を知り、参加者たちの心は深く動かされました。その後、カリバタ英雄墓地を訪れ、墓碑に手を合わせ、平和への思いを新たにしました。
尾木ママの言葉
尾木ママは、飼い主のような立場で生徒たちと共に行動し、彼らの成長を目の当たりにしました。「自分の言葉で伝えることができる。ここに来て、特別な経験を得てほしい」と語り、多くの学びを共有しました。
この研修はただの学びではなく、行動や共感を伴うものでした。学生たちは、様々な経験を通じて、未来志向の考え方を育むことができました。こうした国際協力の実践が、彼らにとって一生の宝物となることを願っています。
次回のエッセイコンテスト
この研修を通じて得た学びを行動に移すために、2025年度の「JICA国際協力エッセイコンテスト」の募集が始まります。次回のテーマは「世界の幸せのために私たちができること~未来へつなげるために~」。学生たちの参加を心よりお待ちしております。