アラヤが明らかにした安全運転と脳活動の関係
株式会社アラヤ(東京都千代田区)は、株式会社本田技術研究所との共同研究で、運転シミュレーターを用いた安全運転に関わる脳活動の解析を行いました。この研究は、10月にシカゴで開催されるSociety for Neuroscienceの学術大会「Neuroscience 2024」で発表される予定です。
研究の背景
日本では高齢化が進むにつれて、運転に関する事故のリスクが増加しています。多くの交通事故はドライバーの判断ミスや見落としが原因であり、これに対処するためには、安全運転を促進する技術の開発が急務です。これまでの研究では、事故を起こしやすいドライバーと安全運転を心掛けるドライバーの目の動きに違いがあることがわかっていましたが、その原因や脳内での働きについては不明な点が多くありました。
アラヤは、これまでの知見をもとに「上手な運転手の脳はどのように異なるのか」という疑問に答えるため、最新の脳機能イメージング技術を駆使して実験を実施します。
実験の詳細
この研究では、MRI対応の特殊な運転シミュレーターを使用し、運転中の状況をリアルに再現しました。実験参加者は、周囲の車両との衝突リスクを体験し、その反応を観察しました。具体的には、サイドミラーに映るリスクのある車両をどのように認識し、どのようなブレーキ操作を行うのかを調査し、その際の脳の活動を記録しました。
得られた成果
主な研究成果は以下の通りです。
1.
リスク車両を認識する時間 — 安全運転をしていた参加者は、リスク車両に対してより長い時間視線を向けていることがわかりました。これらの参加者は、状況の認識や運転行動の選択に関与する脳の領域(上側頭溝前部や前部帯状回)の活動が活発であることが示されました。
2.
視線の向け方 — 安全運転ができていた参加者は、リスク車両に対して最後まで視線を向け続け、他のドライバーの行動を予測するための脳領域(側頭頭頂接合部)の活動が高まりました。
研究の意義
この研究から得られた知見は、安全運転支援システムの開発において大変重要です。運転時の脳の働きを理解することで、認知能力の衰えを補助する技術の実現が期待されます。アラヤは、この研究成果を基に、更なる運転支援技術の開発を目指していきます。
代表取締役CEO金井良太のコメント
金井良太CEOは、「この研究を通じて、安全運転時の脳の働きについて新たな知見が得られました。状況認識から行動決定に至る神経メカニズムを解明できたことは、今後の運転支援技術の進化に貢献できると考えています」と述べています。
アラヤの研究開発支援サービス
アラヤでは研究開発支援サービス「NeuroHatch」を提供し、脳科学を軸にした研究開発を支援しています。ニューロテックソリューションや生体センシング技術の開発が進む中、そのニーズに応じた最適なソリューションを提供することを目指しています。
公式ウェブサイト
詳細については、
アラヤの公式サイトをご覧ください。