JVCケンウッドとサイエンスアーツが資本業務提携を締結
2023年10月15日、株式会社JVCケンウッド(以下、JVCケンウッド)と株式会社サイエンスアーツ(以下、サイエンスアーツ)がIP無線市場において新たな資本業務提携契約を締結したことが発表されました。この契約により、両社はIP無線機やサービスの共同開発を行い、日本国内だけでなく北米を含むグローバル市場においても販売展開を進めるつもりです。
IP無線市場の重要性
近年、業務用無線の需要は高まっており、特にIP無線の市場は急成長しています。この背景には、インターネット通信を利用したシステムへの移行があります。IP無線は音声やデータを同時に扱えるため、通信手段としての利便性が向上しています。2023年時点でこの市場は約1,200億円に達する見込みであり、今後も成長が予測されています。
提携の目的としなやかな戦略
JVCケンウッドは、80年にわたる無線技術の蓄積を活かし、公共安全市場において強力なシェアを誇っています。一方、サイエンスアーツはIP無線アプリ「Buddycom」の国内シェアでNo.1を獲得しており、すでに1,000社以上に導入されています。この提携により、両社は技術と販売ネットワークを結集し、相互の成長を図る考えです。
具体的な取り組み内容
1.
共同開発の推進:JVCケンウッドは無線端末のハードウェア技術を担当し、サイエンスアーツはソフトウェア技術を活用して両社の強みを生かしたIP無線機やそのサービスの開発を進めます。具体的には、サイエンスアーツの「Buddycom」プラットフォームをもとに、JVCケンウッドが無線機に必要なサーバーとゲートウェイを開発します。
2.
販売ネットワークの強化:両社はお互いの販売ネットワークを活用し、国内市場及び北米市場へのIP無線機の販売を拡大します。この連携により、双方の市場シェアを拡大させ、より効率的な営業が可能になります。
資本提携の詳細
JVCケンウッドはサイエンスアーツへ347百万円の出資を行い、出資比率は8.13%となる予定です。この資本業務提携は、両社が理想とする未来の通信手段を共に成し遂げるための重要なステップです。
業界の期待
JVCケンウッドの鈴木昭氏は、「信頼性が高いIP無線機・サービスを提供していく」と述べており、サイエンスアーツの平岡秀一氏もこの提携を通じて現場で働く人々に新たなコミュニケーション手段を提供できることに喜びを感じているようです。両社の協力により、業務用無線の未来が大きく開けることへの期待が高まっています。
結論
この提携により、IP無線市場における競争力が一層強化されることが予想され、両社のエコシステムがより多くの企業や市場での挑戦を支えることになります。今後の動向から目が離せません。