医療機関経営危機改善への提言
2023年6月22日、第159回日本医師会定例代議員会が日本医師会館で開催されました。松本吉郎会長は、医療機関の経営危機改善に関する多くの重要ポイントを述べました。今回の議会では、医療機関の経済状況や地域医療への取り組みが焦点となりました。
1. 医療機関の経営危機の改善
松本会長は、特に「骨太の方針2025」に関連する議論を展開し、いくつかの核となるポイントを提言しました。具体的には、以下の4点です。
- - 経済成長の果実の活用: 税収の上振れ分を医療に活用することが提案されました。
- - 社会保障予算の見直し: 高齢化の進行を見据え、予算配分の見直しが必要としています。
- - 診療報酬の反映: 賃金や物価上昇に基づく適切な診療報酬の改定を求めています。
- - 小児医療・周産期医療体制の強化: 対策が急務であると訴えています。
これらの提言は、医療現場の窮状を解決するために不可欠であり、特に政府との連携が求められます。国民医療を守る議員の会での決議が、この流れを後押ししました。
2. 組織強化と地域医療構想
松本会長は、組織強化が一過性ではなく、継続的な取り組みであると強調しました。特に、医学部卒後5年間の会費減免策は、若手医師の会員になってもらうための有効な一手です。新たに導入された医師会会員情報システム「MAMIS」を活用し、医師の活動を活性化させる方針が示されました。
また、新たな地域医療構想における医療と介護の連携は、地域における医療の質的向上に寄与するとしています。これは医療提供体制のしなやかな変革を意味し、国民の医療ニーズを正確に反映させたものとして評価されています。
3. 医療人材の確保
今後の医療体制において医療人材の確保は欠かせません。厚生労働省と協力し、医師偏在を是正するための広域マッチング事業を立ち上げることで、効率的な人材配置を目指しています。特に、看護職員の確保にも注力が求められています。
4. 医療DXと医薬品供給
医療DXの推進にあたっては、医療機関が安定して運営できる基盤を整えることが前提とされます。松本会長は、電子化導入における国からの適切な支援を求めています。また、医薬品供給の不安定さも指摘されつつ、医療現場の声をより一層国に届ける必要があります。
5. 参議院選挙と今後の方針
7月に行われる参議院議員選挙は、医療・介護分野にとって重大な転換点となると松本会長は認識しています。人口減少と高齢化の進行が、この選挙での重要なテーマになるでしょう。未来の医療体制のために、さらなる協力を求めています。
6. 結び
松本会長は、最後に国民の健康維持に向けた医師会のコミットメントを強調し、全力で取り組む姿勢を示しました。今後も医療機関が直面する困難を乗り越え、地域の医療提供が安定することを願っています。県民の声が正確に医療政策に反映されることが、私たちの健康を守る本道です。
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