白馬山荘の3Dモデル化
長野県松本市に本社を置く株式会社ASOLABは、北アルプスの白馬岳に位置する日本最古の山小屋「白馬山荘」の3Dモデルを完成させました。このプロジェクトは、伝統のある山小屋が迎える120周年の記念事業です。
白馬山荘とは
白馬山荘は、1906年に開業され以来、登山者に愛され続けてきました。標高2,832メートルの稜線に建ち、四季を通じて多くの利用者に重要な拠点として機能しています。そのため、山荘は厳しい気候条件、特に冬季の強風や積雪、凍結といった自然の脅威にさらされています。
プロジェクトの背景と意義
白馬山荘の維持管理には多くの課題があります。材料や技術者の搬入はヘリコプターを用いたり、歩荷が必要で、状況によっては長時間・高額な障害となります。また、傷みが発生しても、平地と違い即座に修繕できず、設計者が頻繁に山へ登って確認するのも難しい状況です。これを解決するために、ASOLABは山荘全体の3Dデジタル化を提案しました。
計測方法と実施
プロジェクトは2026年6月29日から7月3日の5日間に亘って実施されました。計測対象となったのは、スカイプラザ、1号館、2号館、3号館の四つのエリアと外観の全体像です。手段としては、三脚型の3Dレーザースキャナーやハンディ型スキャナー、さらにはドローンを使ったレーザー計測が導入されました。
1.
精密計測: Leica RTC360を使用し、必要な部屋の詳細を測定。
2.
全体計測: FJD S1を用いて広い館内を迅速に取得。
3.
外観計測: DJI Matrice 400 RTKに搭載されたレーザーを使用し、上空からの計測。
山岳環境における計測は、天候の変化が大きなリスクでした。特に、6月30日の濃霧はセンサーに異常をもたらし計測を中断するも、翌日は晴れ間に恵まれ、計測を完了しました。
完成した3Dモデルの活用
完成した3Dモデルは、単なる写真とは異なり、空間そのものをデジタルに記録したデータです。点群データとして山荘の内部や外観を自由に視覚化でき、さまざまな用途に活用可能です。これにより、以下のような利点が得られます:
- - 寸法計測: 建物の天井高や梁の間隔を瞬時に測定。
- - 図面作成: 点群データから平面図を作成でき、BIMへも展開可能。
- - 劣化把握: 将来の再計測に向けた基準データとして保管。
今後の展開
今回の3Dデータは、白馬山荘の継続的な管理と修繕計画の基盤資料として活用され、未来の維持管理にも寄与します。ASOLABは今後も、アクセスや天候による制約のある山岳施設のデジタル化に努め、正確な情報と記録を保管してまいります。
会社概要
ASOLABは、2022年に設立されたドローンサービス企業で、空撮、点検、測量など多岐にわたる業務を展開しています。彼らの取り組みは、自然環境の厳しい地域における維持管理と歴史の保存に貢献するでしょう。