金融庁が法人口座の不正利用防止対策を強化するための新施策を発表
金融庁は2023年8月23日に、法人口座を含む預貯金口座の不正利用防止に向けた新たな対策を発表しました。この発表は、近年増加している金融犯罪に対処するためのもので、特にSNSを通じた詐欺の手口が目立っている中での取り組みとなっています。
近年、SNSを利用した詐欺が急増しており、特に「SNS型投資・ロマンス詐欺」といった手口が広まっています。この詐欺では、加害者がSNSでターゲットを信頼させ、投資名目で金銭をだまし取る事例が多く報告されています。また、法人口座の悪用も少なくなく、金融機関の対応が急務となっています。
金融庁はこの問題に対する対策として以下の点を提案しています。まず、口座開設時に不正利用防止のための実態把握を強化することが挙げられます。これにより、初期段階から不正行為を防ぐ体制が構築されることが期待されています。
次に、利用者のアクセス環境や取引の金額、頻度を考慮した多層的な検知システムの導入が求められています。これにより、通常とは異なる行動を迅速に把握し、不正利用を早期に検出することが可能となります。
さらに、金融機関間での情報共有を強化し、不正の手口や関連する事件の実態を把握するための連携が不可欠です。警察との連携を強化することで、迅速な情報提供と対応が図られることを目指しています。
具体的な対策としては、検知シナリオや敷居値の見直し・充実が求められています。不正が行われた際には、速やかに顧客への確認を行い、必要に応じて出金停止や口座の凍結、解約といった措置を講じることが重要です。また、金融機関が持つデータを活用し、実態の把握に資するとともに、適切な対策が実施されるように努める必要があります。
このように、金融庁が発表した不正利用対策は、金融機関にとって重要な施策となります。金融機関は、これらの要請に基づき、内部の体制を見直し、よりしっかりとした対策を講じていくことが求められるでしょう。詐欺の手口が多様化する中で、利用者を守り、信頼性の高い金融システムを維持するために、業界全体での取り組みが必要です。
金融庁は、今回の対策が不正利用の防止に寄与すると期待しつつ、今後も様々な施策を検討し、実行していく方針を示しています。金融犯罪の増加に対する真摯な取り組みが求められる中で、従来の枠を超えた新たなアプローチが重要となっています。