エンバリオとフォード、革新を実現
高機能樹脂材料のリーダー、エンバリオがフォード・モーター・カンパニーと手がけた新しいEGR(排気ガス再循環)システム用部品が、米国ミシガン州で開催された第53回SPE自動車イノベーション賞において「プラスチックの最も革新的な利用」賞を受賞しました。この受賞は両社の共同の努力の成果であり、プラスチック使用における新たな可能性を示しています。
受賞の背景
受賞対象となったのは、EGRシステムの重要な部品にあたるコールドチューブとディフューザーです。ここにエンバリオの革新素材「Xytron™PPS」を使用することで、これまでのステンレス鋼製部品に代わり、驚くべき軽量化を実現しました。具体的には重量が28%も削減され、そのパフォーマンス向上が今回の受賞の主な理由となっています。
Xytron™PPSの特性
Xytron™PPSは、耐熱性と耐薬品性に優れ、最高200℃の高温環境やpH2.2の強酸性にも耐えられるため、長期的な使用に適した素材と言えます。この素材を採用することで、製品の耐久性が大幅に向上し、また、ガスケットやOリングといった部品の必要がなくなることで、全体的にEGRシステムの構成が簡素化されます。これにより、製造や組み立て工程が効率化され、コストの大幅削減にも寄与しています。
チームワークの成果
エンバリオのアプリケーション開発エンジニア、ラス・ブルームフィールド氏は、「この受賞は、エンバリオの素材開発における革新性とチームワークの賜物です。フォード・モーター・カンパニー、Sogefi、Viking Plasticsとのパートナーシップの成功を示すものです」と語ります。また、EGRアセンブリの一次サプライヤーであるSogefiと、Xytron™PPS製EGRチューブの成形を担うViking Plasticsも受賞に大きく貢献しています。
今後の展望
エンバリオの米国コマーシャルディレクター、グレース・ショーウォルター氏は、「この受賞は、イノベーションの限界に挑戦し、協力関係を築くという当社の姿勢を明確に示しています。私たちはこの偉業を成し遂げたチームとパートナーを誇りに思います」と語りました。
エンバリオについて
エンバリオは、オランダのトップ化学メーカーDSMの樹脂部門と、ドイツの特殊化学品メーカーランクセスの樹脂部門によって2023年4月に設立されました。約4,000人の従業員を擁するエンバリオは、持続可能な高性能ソリューションを提供しており、自動車産業だけでなく、電子機器や消費財など多岐にわたる分野に貢献しています。日本国内では東京、横浜、名古屋に拠点を持ち、きめ細やかなサービスを展開しています。
お問い合わせ
エンバリオジャパン:03-6281-9670
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