歴史的建物再生に向けたDIYイベントが滑川市で開催

開催されたDIYイベントの概要

2025年4月26日と27日の2日間、富山県滑川市で空き店舗の活用を目的としたDIYイベントが行われました。このイベントは、全国で空き家の買取や再販を行う株式会社AlbaLink（アルバリンク）が主催し、同市の法澤デザイン事務所と共催で実施されました。

対象となったのは、築92年という歴史を誇る旧ヱビス屋百貨店で、標高を超える参加者たちが集まり、空き家の再生に向けた活動を行いました。AlbaLinkの社員をはじめ、地域おこし協力隊や空き家の所有者など、計12名が一丸となって作業に取り組んだのです。

歴史的建物の再生

旧ヱビス屋百貨店は昭和初期に建てられ、長年にわたって地域に親しまれてきましたが、近年の移転により空き店舗となっていました。AlbaLinkはこの建物を取得し、地域振興のために「EBISさらしや」という新しいサテライトオフィスとして再活用する計画を立てています。かつて賑わったまちの中心に新たな人の流れを取り戻すための取り組みです。

参加者との交流

イベントでは、参加者が自ら手を動かし、塗装作業や清掃などを行ったことで、作業が進むにつれて自然と交流が生まれました。空き家の所有者が現地を訪れた際には、その建物にまつわる思い出や地域の物語が語られ、参加者がそれを受け継ぐ瞬間も見られました。このような活動を通じて、空き家は「誰かのもの」から「地域みんなの資産」としての意識が芽生える場となりました。

再生の意義

「EBISさらしや」は、地域と企業が交わる拠点として再生が進められ、2025年内には本格稼働を目指しています。ここには「起業家の事業を集約する空間」という意味が込められており、地域に開かれた場所として多くの人の交流を促進する役割を果たすことが期待されています。参加者からは、古い建物に手を加えることで新たな可能性を感じたとの感想が寄せられ、実際にその手応えを実感しながら地域の資源を育てる活動に参加できた喜びが共有されています。

継続的な取り組み

AlbaLinkと法澤デザイン事務所の取り組みは、今後も続き、6月には第2回のDIYイベントを予定しており、滑川市の中心市街地再生に向けた活動を進めます。空き家を「まちの課題」として捉えるだけでなく、地域の資源へと変えていくための取り組みは今後も重要な課題です。このような地元の協力を得ながら、持続的に人と場所をつなげるプロジェクトの実現を目指しています。