台湾角川が迎える25周年の新たな挑戦
2023年11月8日、台湾角川は設立25周年を迎え、記念の茶会を開催しました。この記念すべきイベントでは、古典文学のコミック再現、新たな事業の開始、台湾IPのグローバル化という3つの重要な発表が行われ、参加者の注目を集めました。特に、KADOKAWAグループの海外子会社としての位置づけを強調し、台湾市場における成長戦略が明らかにされています。
台湾角川の成長
台湾角川は1999年に台湾市場に進出以来、累計で6000万点以上の書籍を出版してきました。また、自社で運営する小説プラットフォーム『KadoKado角角者』は15万人以上の会員を抱え、台湾BOOK☆WALKERも75万人を超える会員を獲得しています。これらの成長は、台湾における日本の文化の受け入れと、双方のIPコンテンツの発展に寄与してきました。
1. クラシックIPの再現
最初の発表は、古典文学コミックシリーズ『Masterpiece Comics』の繁体字中国語版の発売です。これは、名作文学をビジュアル化し、親しみやすさとエンターテインメント性を兼ね備えた作品として位置づけられています。2025年には『遠野物語』第1巻が発刊される予定です。
さらに、日本の名作『涼宮ハルヒ』シリーズの新作『涼宮ハルヒの劇場』が11月29日に世界同時発売されることが発表されました。また、韓国の人気ウェブマンガ『全知的な読者の視点から』の出版権も取得しており、これらの作品は台湾市場で大きな反響を呼ぶことが期待されています。
2. 新事業の展開
次の重要な発表は、KADOKAWAの「くじ引き堂」の台湾導入です。2025年第1四半期から、公式で保証された日本のくじ引き商品の現地展開が始まります。また、ライトノベルの読み放題サービス「Kado Plus」や、コミック連載館の新設も予定されており、利用者にはより多くの読み応えのあるコンテンツを提供することを目指しています。
特に「KadoKado角角者」の進化により、クイック決済や即読機能も追加され、読者に途切れない没入感を与えることが期待されています。
3. 台湾IPのグローバル化
最後の発表では、台湾のオリジナルIPを世界に発信する取り組みが紹介されました。台湾角川は国際展開を進めるために、IPメディアミックスチームを結成。11作品の海外版権を12カ国に販売した実績も報告されました。
具体的には、台湾発のIPが日本のコミック単行本としても発売されるなど、国際的なアクセスを得ることが重要視されています。また、台湾角川は、翻訳著作権エージェントや国際ブックフェアを通じて、国際的なライセンス出版の機会を増やしていきます。
結論
KADOKAWAグループは、今後も台湾の強力な文化的背景を活かし、IPの多様化とグローバル展開に邁進する方針です。特に台湾の若手クリエイターからの新しいアイデアや文化を幅広く取り入れ、IPの価値を向上させる努力を続けていくことでしょう。これらの新展開は、台湾だけでなく、アジア全体のエンターテインメント産業に新たな風をもたらすことが期待されています。