職場での感謝文化に潜む課題
株式会社キャリアデザインセンターが運営する転職サイト『女の転職type』が、勤労感謝の日に際して実施したアンケート調査が注目を集めています。今回の調査対象は働く女性430名で、職場における感謝の実態や文化について深掘りされました。
感謝を伝える行動は少数派
調査結果によると、昨年の勤労感謝の日に「誰にも感謝を伝えなかった」と回答したのは68.1%。これは驚くべき数字で、同僚や上司、部下に感謝の意を示したという人はわずか5%以下だったことが分かります。これにより、職場における感謝の文化が希薄であることが浮き彫りになりました。
感謝の伝え合いはわずか1割
次に、職場に感謝を伝え合う文化が存在するかを尋ねたところ、「ある」と答えたのは約1割という結果に。これは、日常的に感謝の気持ちを言葉で表現することがいかに少ないかを物語っています。感謝の文化が根付いていない理由について、様々な要因が考えられますが、コミュニケーション不足が一因とも言えるでしょう。
感謝の手段は口頭が主流
感謝を伝える手段に関して、最も一般的だったのは「口頭で伝える」というもので、57.2%の人がこの方法を選択しました。これに対して「感謝を伝えない」人も18.9%おり、感謝の言葉が床んでいない現実が浮かび上がります。職場の雰囲気を良くするためには、感謝の言葉が欠かせないことは明らかです。
誰に感謝を伝えたいか
現在職場で最も感謝を伝えたい相手として、多くの人が「同僚」(39.0%)を挙げています。その一方で、感謝を伝えたい人が「いない」と答えた人が21.3%もおり、職場の人間関係がドライに感じられたことも伺えます。感謝の念が伝わらないと、職場でのつながりも消えていく可能性があります。
モチベーションアップにつながる感謝
一方、感謝を伝えられることが仕事のモチベーションに繋がるのは「上司」が26.4%、「顧客」が24.6%、その後に「同僚」が続きました。実際、感謝を伝えることの効果が高いことがわかります。実が「感謝される」という行動は人によって非常にポジティブな影響を及ぼし、仕事のパフォーマンス向上に繋がるのです。
感謝のエピソードに見る日常
感謝の実感を得るためのエピソードについても多くの回答が寄せられました。家族や同僚、さらには友人に感謝する場面が日常生活でも存在することを改めて認識させられます。これらのつながりが職場でも活かされると、より豊かな人間関係が築かれていくでしょう。
感謝の文化を育てるには
感謝の文化を育成するためには、企業側の積極的な取り組みが不可欠です。特に、社内での感謝を表彰する制度や、コミュニケーションの機会を増やすことが必要です。ピアボーナス制度などを導入する企業も増えており、それにより感謝の気持ちがより一層伝えやすくなります。
まとめ
今回の調査結果からも分かるように、感謝の気持ちを職場で積極的に表現することが、組織全体の雰囲気を良くし、働きやすさを向上させることにつながるのは間違いありません。今年の勤労感謝の日には、ぜひ職場の仲間に感謝を伝えてみてはいかがでしょうか。