国産シミュレーションツールによるモーター開発の革新
株式会社スマートエナジー研究所が開発した高速回路シミュレータ『Scideam』は、モーターオプションにおいて、株式会社JSOLが提供する電磁界解析ソフト『JMAG-RT』との連携機能を実現しました。この連携により、従来のシミュレーション手法では難しかった詳細なモーター挙動の評価が可能になるため、自動車業界や各種エレクトロニクス分野におけるモーター設計の効率化が期待されます。
サービス提供の背景
近年、EV(電気自動車)やパワーエレクトロニクス製品の進化に伴い、小型化や高効率化、熱設計や信頼性の確保など、さまざまな要件が求められています。そのため、開発初期段階でこれらの要件を多面的に評価することが必要ですが、これまでのシミュレーションは時間がかかり、その利用が難しかったのが実情です。
Scideamは、迅速かつ安定した回路計算ができ、この度のJMAG-RTとの連携を通じて、モーター制御の高精度シミュレーションを実現しました。この連携により、開発者はシステム全体の損失解析を迅速に行えるようになります。
Scideamモーター制御オプション「Motor Palette」の特徴
Scideamのモーターオプション『Motor Palette』は、電気回路とモーターモデルを統合的に扱える仕組みを持っています。利用者は、モーター動作時のインバーター損失を全自動で計算でき、スイッチング素子に起因する損失を明確に分類して解析することができます。このようにして、これまで困難だった詳細な損失解析を実現しました。
JMAG-RTとのシミュレーション連携
JMAGで作成されたプラントモデルをScideamにインポートし、モーター素子のパラメータとして指定するだけで、瞬時に高精度なモーターシステムレベルのシミュレーションが行えるようになります。この連携によって、開発スピードの向上が見込まれています。
JMAG・JMAG-RTの特性
JSOLが開発した『JMAG』は、電磁界解析に特化した3D解析ツールで、モーターや変圧器の詳細設計に適しています。そのJMAGから生成されるモデルを活用し、システムレベルのモデリングとシミュレーションを同時に進めることができ、高度なモーター設計が可能になります。これにより、ScideamとJMAG-RTの連携によって、フロントローディングな開発環境が構築されます。
今後の展開
この新たな環境の導入により、ユーザーは開発過程における多様なニーズに対応できるとともに、製品開発の効率化が図られることが期待されます。スピーディかつ精度の高いシミュレーションが可能になることで、競争力の高い製品が次々と生まれることでしょう。
発表について
この新機能は2024年11月26日(火)にリリースされる予定で、より詳細な情報はスマートエナジー研究所の公式サイトから取得可能です。
スマートエナジー研究所の基本情報
- - 企業名:株式会社スマートエナジー研究所
- - 設立:2009年9月28日
- - 所在地:横浜市港北区新横浜 2-12-1 新横浜光伸ビル5F
- - URL:スマートエナジー研究所