LINEヤフーが全従業員に生成AI活用を義務化、業務効率を倍増狙う新働き方

LINEヤフーが全従業員に生成AI活用を義務化

LINEヤフー株式会社は、全従業員約11,000人を対象に生成AIの活用を業務において義務化する新たな働き方を導入すると発表しました。これにより、業務生産性を今後3年間で2倍に引き上げることを目指し、イノベーションを促進する環境を整備します。

新たな働き方の具体策

この施策では、業務における生成AI利用を前提にした働き方にシフトすることが重要視されています。特に「調査・検索」、「資料作成」、「会議」など、従業員の業務の30%を占める共通領域から着手する予定です。例えば、調査・検索の分野では「まずはAIに問い合わせる」といった文化を根付かせ、資料作成では「ゼロベースでの作成を行わない」というルールを導入します。これにより、業務効率を大幅に向上させることが期待されています。

また、部門内には生成AIの活用を促進するための専門の推進者も配置されており、社内表彰や社員アンバサダー制度を通じて活用をさらに促進する計画もあります。

具体的なルールの例

LINEヤフーが設定した生成AI社内活用ルールにおいては、以下のような細かい方針が示されています。

調査・検索

- 経費精算の社内規則については独自の業務効率化ツール「SeekAI」を利用。
- 競合調査やトレンド分析といった外部情報の検索では、「プロンプト例」を活用したAIによる検索を実施。

資料作成

- 資料作成はAIを活用したアウトラインをもとに進め、ゼロベースからの作成は行わない。
- 文章の校正についてもAIを用いて行うことで、よりクオリティを高める方針です。

会議

- 勤務時間を有効に活用するため、会議出席者は「本当に必要な人」だけに絞る。
- 議題整理はAIによって行い、議事録の作成もAIに委ねます。任意参加の会議は原則出席しない方針を取っています。

LINEヤフーの先進的な施策

さらに、LINEヤフーは独自の生成AIツールを社内で提供し、2025年6月から全従業員に「ChatGPT Enterprise」のアカウントを支給することで、生成AIの完全な利用環境を整える予定です。加えて、全社員にリスク管理やプロンプト技術に関する必須のeラーニング研修を行い、試験に合格することを生成AI使用の条件としています。

2025年7月14日時点で、LINEヤフーは51件の生成AIを使用した機能を導入しており、業務効率化に向けたプロジェクトも35件以上が進行中です。