白揚社が創業100周年を迎え、1940年に出版された科学書の名著『不思議の国のトムキンス』が復刻されることとなりました。この復刻版は、科学と冒険が見事に融合した作品で、原作の魅力そのままに現代の読者に届けられます。
『不思議の国のトムキンス』は、平凡な銀行員であるトムキンス氏が不思議な世界で繰り広げる冒険を通じて、相対性理論を楽しく学べるように構成されています。トムキンス氏は、夢の中で様々な奇妙なキャラクターと出会い、物理学の複雑な理論を直感的に理解する手助けをしてくれます。この物語は、1940年に発表された際から多くの国に翻訳され、国内外の科学者や一般読者から親しまれてきました。
著者のジョージ・ガモフは、「ビッグバン宇宙論」を発表したことで知られる理論物理学者です。約70年も前に彼が描いたこの物語は、難解な科学をわかりやすく解説する才能を持つ彼の代表作のひとつです。物理学者の佐藤勝彦氏、村山斉氏、宇宙飛行士の毛利衛氏らもこの作品を愛読し、影響を受けたことを公言しています。若いころにこの本を読み、科学への興味を抱いた人々は多数存在します。
ガモフ博士の特徴的なスタイルは、彼のユーモアと深い知識によるものです。ノーベル賞受賞者の湯川秀樹氏は、「ガモフは他の科学者と異なり、一般の読者にモダンサイエンスを親しみやすく見せる特別な才能を持っている」と述べています。アインシュタイン教授も、彼の作品を高く評価し、その刺激的な内容に感銘を受けたと語っています。
白揚社は、創業以来、多くの実用書や人文書を出版し、戦後からは一般向けの科学翻訳書に特化。特に『ガモフ全集』や『ゲーデル、エッシャー、バッハ』など、専門的な知識を必要とせず楽しめる作品を数多くリリースしてきました。この度の復刻は、同社の100年の歴史を彩る重要な一歩であり、戦後の科学教育や一般認識の変化に寄与してきたこの名著を再び手にする機会を提供しています。
復刻版『不思議の国のトムキンス』は、ビジュアルも魅力的で、昭和時代の科学少年少女たちが愛したそのままの形で出版されます。本書は、白揚社のウェブサイトや各種書店で購入することができます。
書籍の詳細は以下の通りです。
- - 著者:ジョージ・ガモフ
- - 翻訳者:伏見康治
- - サイズ:B6判上製168頁
- - 価格:1500円(税別)
- - ISBN:978-4-8269-1000-2
- - 販売サイト:Amazon、紀伊國屋書店、セブンネット
この復刻により、さらに多くの人々がトムキンスの冒険を通じて科学の楽しさを再発見し、感動を味わえることを願っています。ぜひ、この機会に『不思議の国のトムキンス』を手にとってみてください。