評価制度の課題
2026-03-11 11:15:44

中小企業の評価制度は機能せず、賃上げだけでは離職を防げない現実とは

中小企業の評価制度は機能せず、賃上げだけでは離職を防げない現実とは



2026年に行われた「人的資本・労務リスク調査」から、驚くべき結果が浮き彫りになりました。調査を実施したのは、東京都千代田区の飯田橋・神楽坂社会保険労務士法人で、対象としたのは従業員数30名以上100名未満の中小企業です。この調査では、評価制度の在り方や賃上げの現状、労働時間の管理方法、ハラスメント対策など、多岐にわたる人事制度の実態が明らかにされました。

中小企業の評価制度の実態



調査結果によると、約50%の企業が「評価制度が機能していない」または「評価制度がない」と答えました。具体的には、「とても機能している」との回答はわずか6.1%に過ぎず、「概ね機能している」が44.2%、さらに「あまり機能していない」が30.7%、そして「評価制度がない」が10%という結果が出ました。これにより、約4割が自社の評価制度に不満を抱いていることが示されました。

評価制度の不満が離職を促進



評価制度への不満が離職の原因になっているかの質問では、回答者の51.9%が「強く感じる」または「やや感じる」と答えました。さらに、評価制度が機能していない企業では62.6%が離職への影響を認識しており、評価制度の不備が離職の一因となっていることが明らかになりました。これは、評価が不適切であることが従業員のモチベーション低下と直結しているからです。

賃上げと収益のジレンマ



賃上げに関する実態として、多くの中小企業が3%から6%の賃上げを計画していますが、3%未満の賃上げを予定している企業も少なくありません。具体的には、3%以上の賃上げを予定している企業は55.9%であり、物価上昇の影響を受ける中、収益圧迫と向き合っていることが浮き彫りになりました。

業種別で見ると、特に医療・介護、小売・サービス、建設業等の人手不足が深刻な業界において賃上げ圧力が高まっています。これらの企業は、優秀な人材を確保するために賃金引き上げが不可欠であると認識しているのです。

労働時間の管理状況



労働時間の管理方法に関しては、半数以上の企業が「Excel」や「自己申告」による管理を行っており、客観性を欠いた方法で勤怠が管理されていることが分かりました。実際、60.2%の企業が客観的な情報に基づく労働時間管理を行えていないという結果に驚かされます。働き方改革が進む中、ますますこの問題は重要性を増しています。

退職代行への企業の意識



最近では退職代行サービスも広まり、多くの企業がその利用に対して警戒感を持っています。しかし、調査によると61.5%の企業が「特に気にしていない」と回答。そのため、企業側が退職代行サービスへの対応に慣れてきた可能性があることが見受けられます。

構造的な問題の認識



この調査から浮き彫りになったのは、中小企業が抱える複数の構造的問題です。具体的には、評価制度の不具合、賃上げと収益のジレンマ、労働時間管理のリスク、さらに人事データ活用の遅れなどです。これらの問題は個別のものではなく、相互に関連しあっている可能性があります。

専門家の意見



飯田橋・神楽坂社会保険労務士法人の代表である川口正倫氏は、「賃上げを行っても、評価制度が機能していない限り、離職は防げません。人的資本経営の本質は、適切な労働管理と公平な評価の実現にあります」と述べています。今後、企業が持続的に成長するためには、構造的な課題の解決が不可欠であることが強調されています。

この調査は、中小企業が抱える人事制度の課題に対して深い洞察を与えるものであり、各企業がどのように改善を図るかが注目されています。


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会社情報

会社名
飯田橋・神楽坂社会保険労務士法人
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東京都千代田区富士見1-3-11富士見デュープレックスビズ4階
電話番号
03-6820-6565

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