セイコーが打ち出す新たな有限の美
セイコーウオッチ株式会社が、その高級ブランド「クレドール」から、漆芸と彫金の技を駆使したトゥールビヨン限定モデルを10月24日に発売します。この新作は、価格が25,300,000円(税込)となっており、全世界でわずか10本のみの限定販売です。
クレドール ゴールドフェザーの背景
このモデルは、セイコーが誇る薄型メカニカルウオッチの系譜を受け継ぎ、60年ぶりに再登場しました。デザインコンセプトは、羽根のように「薄く」、「軽やか」で、「艶やか」なスタイルを追求したものです。このゴールドフェザーは、現代のドレスウオッチとしてもふさわしい特性とデザインを持っています。
漆芸と彫金による美を表現
今回のトゥールビヨンモデルに初めて搭載されたトゥールビヨンムーブメントは、加賀蒔絵の達人である田村一舟氏が手がけた緻密な漆芸と彫金によって装飾されています。9時位置にはトゥールビヨンキャリッジがあり、それが太陽を象徴しています。そこから広がるエネルギーは、鳥の群れとなって12時位置のクレストマークに飛翔していく様子が、巧みにダイヤルに表現されています。
この美しい装飾は、漆芸の技法を使用したトゥールビヨンキャリッジの周りのエネルギー、切金の技法による赤みを帯びた金色の鳥、そして外側に漂う色鮮やかな鳥が、螺鈿の技法で描かれています。
繊細さが生み出す煌めき
繊細にカーブしたダイヤルには、漆を用い、金、白蝶貝、夜光貝で彩られ、何度も研磨された結果、まるで宝石のような煌めきを放っています。さらに、田村氏の技術により、立体的な高蒔絵で描かれたクレストマークやCREDORロゴ、今回初めて施された極細のGoldfeatherロゴが目を引きます。
力強さを表現する裏面
裏面は、トゥールビヨンキャリッジから広がる大胆な彫金と漆芸で表現されたます。「風切り羽」を模したデザインが施され、三日月形の夜光貝に羽の輪郭が高蒔絵で描かれています。さまざまな工具を駆使し、わずか0.15㎜の深さで深みのある美しさを生み出す彫金が施されています。
高度な技術が実現するコンパクトなムーブメント
このモデルに搭載されている新ムーブメント「キャリバー6850」は、薄型手巻きトゥールビヨン「キャリバー6830」を継承しており、厚さ3.98mmというコンパクトなサイズでありながら、60時間のパワーリザーブを実現しています。このムーブメントは、黄綬褒章を受賞した齋藤勝雄によって組み立てられています。
ケースデザインの新たな挑戦
ケースと裏蓋が一体化した構造により、8.6mmの薄さと強度を兼ね備えた美しいフォルムが生み出されています。手作業による磨き上げが施され、優しい着け心地を実現しています。
漆芸家と組立師の技術
田村一舟氏は、加賀蒔絵の伝統技術を現代に蘇らせ、一切の妥協を許さない精緻な美しさを展開しています。齋藤勝雄氏は、時計技術の分野で数々の栄誉を獲得しており、彼の手が加えられたムーブメントは、単なる機械ではなく芸術品と言えるでしょう。
まとめ
このクレドール ゴールドフェザーのトゥールビヨン限定モデルは、漆芸と彫金の技術が巧みに融合し、唯一無二の美しさを誇ります。世界で10本のみのこの時計は、手にした者だけが知るその価値は計り知れません。ファッションや時計愛好家にはたまらない逸品です。