パチンコ業界の未来
2025-06-12 11:09:03

パチンコ業界の現状と未来:法人数減少と収益回復への課題

パチンコホール経営の動向



2024年、パチンコ業界における大きなデータが発表されました。株式会社帝国データバンクの調査によると、パチンコホールを運営する法人の数が1201社に減少したことが分かりました。これは前年と比べて135社、すなわち10.1%も減少したことを意味します。このような減少は、2015年に2618社であった数が10年間で1417社減少したことからも明らかです。

しかし、興味深いことに、総売上高はこれまでの状況とは異なり、11兆7133億円と前年比で5.0%の増加を記録しました。この売上高の増加は、過去10年間で初めて前年を上回ったことになります。特にコロナ禍で脆弱だった来客数が、パチスロの人気復活に伴い回復しつつあることが背景にあると言われています。

スマートパチスロの影響



この中で特筆すべきは、2022年に登場した新しいタイプのパチスロ「スマートパチスロ」、通称スマスロです。これにより、かつてホールから離れていたユーザーを再び呼び戻すことに成功しました。従来のメダルを使わず、ゲーム性に優れたこの新しい形態のパチスロは、出玉性能が高く、近年の停滞を打破する要因となっています。

黒字法人の割合が回復



2024年には、445社の業績が判明し、なんと黒字企業の割合が64.5%に達しました。これはコロナ影響下で苦しんでいた業界が徐々に回復しつつある証拠です。しかし、2020年の黒字割合72.9%には達しておらず、中小ホールの経営は依然として厳しい状況です。多くの法人がM&Aや廃業による淘汰を経験し、競争が一層激化しています。

倒産件数の動向



2024年に報告された倒産件数は23件、前年よりわずかに減少しました。事業環境の厳しさが続く中、特に大型企業の民事再生法適用が相次ぎましたが、2024年には比較的安定した数字を保っています。

業界再興への道



20年間にわたって続いたファン離れに対し、業界は様々な対策を講じていますが、根本的な解決には至っていないのが現状です。2024年に一部の人気台が復活し、ファン層が再び増加した点は評価できますが、根底には「出ないホールが多い」という大きな課題があります。これはプレイヤーの不安を招く要素であり、さらに業界の健全な発展と経営の改善に向けた取り組みが不可欠なのです。

今後、業界全体での協力が鍵となり、ボトムアップ的に集客を伸ばす環境を整える必要があります。ホール、メーカー、プレイヤーが納得できる「三方よし」の体制が整備されなければ、経営はさらに厳しさを増していくことでしょう。パチンコ業界の未来がどのように進展していくのか、今後の動きに注目です。


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