新たに始まった備前焼リサイクル事業で「やさしさ」を考える

備前焼リサイクル事業の開始

株式会社the continue.は、2021年7月より備前焼のリサイクルを本格的に開始しました。これは、伝統工芸品である備前焼やその生産過程で発生する陶器ごみを無駄にせず、持続可能な方法で利用することを目指すプロジェクトです。岡山県備前市を拠点にする同社は、陶器リサイクル業界に新たな風を吹き込もうとしています。

背景

牧沙緒里氏代表のもと、株式会社the continue.は2021年1月に設立され、岡山県に伝わる備前焼のもつ特性と、その生産過程における課題に目を向けました。伝統の地元産業である備前焼は、良質な粘土が薄れてきており、その生産で生じる1割以上の廃棄物が埋め立てられてきました。この状況に対する疑問と悲しみを抱いた牧氏は、廃棄された陶器を取り戻し、再利用の可能性を探求することになります。

「やさしさ」のコンセプト

シンプルな日常の中で、コーヒーを飲むという行為を通じて、リサイクルや資源の大切さを考えるきっかけを提供することが目標です。「一杯のコーヒーからやさしさを考える」というフレーズには、彼らのブランドに込められた深いメッセージがあります。この理念から生まれたのが、リサイクル陶器ブランド「RI-CO」です。RI-COは、Recycling, Inspiration, Continue, 0 wasteの4つのキーワードをもとにしたサステナブルな製品を展開しています。

リサイクル陶器「#再生備前シリーズ」

RI-COとして展開される「#再生備前シリーズ」は、備前焼の生産過程で生じる陶器ごみを回収し、再生素材として高配合することで製造されています。具体的には、再生素材使用率が65％を超え、使用済み商品からも新たな製品を生み出すことができ、多くの環境問題への対応にも寄与しています。このシリーズは、備前焼特有の性質により、コーヒーの味わいをマイルドに変えることが科学的に証明されています。

クラウドファンディングによる先行販売

2021年7月24日からは、クラウドファンディングプラットフォーム「makuake」にて、RI-COの製品が先行販売される予定です。これにより、より広い範囲での顧客の声を受け、製品開発へのフィードバックを促進し、さらなるリサイクルの可能性を探求していくことでしょう。

会社情報

株式会社the continue.は、備前市でリサイクル陶器の開発・製造・販売を行います。代表の牧氏は、廃棄物問題と向き合いながら、地域貢献と環境保護を目指す企業を運営しています。陶器のリサイクルにおいて、新しい挑戦を続ける彼らの取り組みは、未来に向けた「やさしさ」の実践でもあるのです。この素晴らしいプロジェクトが、多くの人々に支持され、持続可能な社会の実現に繋がっていくことを願っています。