UHB北海道文化放送が2025年1月29日から、英語と中国語(簡体字)による縦型配信の試験運用を開始します。この取り組みは、特に訪日外国人向けに情報を提供することを目的としており、北海道のニュース配信サービス「北海道ニュースUHB」にて行われます。配信プラットフォームとしては、人気のソーシャルメディアであるTikTokやYouTubeのショート動画を利用し、自動翻訳を表示することにより、外国人観光客が求める情報を迅速に届ける狙いがあります。
この決定は、コロナ禍からのV字回復に伴い、北海道県内のインバウンド需要が急増していることを背景にしています。今年の春節(旧正月)には過去最大となる90億人が旅行すると予測されており、中心地の札幌市では特に外国人観光客の流入が期待されています。観光資源豊富な北海道は、円安により欧米圏からの旅行者も増加しており、特に2024年のさっぽろ雪まつり(2月4日~11日)に合わせた多言語対応が急務とされていました。
さらに、この試験運用の背景には、大規模災害への備えと、外国人観光客とのトラブルを未然に防ぐための取り組みがあります。多言語化プロジェクトの一環として、外国人観光客に起因する事故や事件に関する情報を早期に配信することで、地元住民とのトラブルを抑制し、安心して観光を楽しんでもらえる環境作りを目指しています。
UHBはこの新しい試みを通じて、多文化共生の促進を図りながら、外部からの情報拡散による地域の活性化につなげていく意向です。これにより、道内外の多様な背景を持つ人々が共に暮らし、訪れる地域をより良くするための第一歩を踏み出しています。
また、UHBの公式TikTokおよびYouTubeアカウントは、ニュースやイベントに関する最新情報をリアルタイムで配信しており、特に若い世代に向けたアプローチにも力を入れています。このように、多様なプラットフォームを活用することで、情報の受け渡しを効率化し、北海道の魅力を広める取り組みを今後も続けていくことでしょう。
北海道のインバウンド観光が加速する中、UHBの進化するニュース配信を通じて、地域がどのように変わっていくのか、今後の動向に注目です。