新成人と人生100年時代
2024年、成人の日を目前に控え、株式会社博報堂のシンクタンクである「100年生活者研究所」は、18歳から80代の男女800名を対象に、人生100年時代における新成人についての意識調査を行った。この調査は、特に新成人層の価値観や意識の変化を探るものであり、調査結果は今後の社会における大人像や生き方についての考察を提供している。
成人年齢と新成人の意識
2022年4月に成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたこの背景を受けて、調査では「大人になったと自覚した年齢」について尋ねた結果、なんと81.7%の回答者が「20代以降」と回答した。このことからも、伝統的に20歳を大人の境界と認識していた世代の意識が強く、成人年齢の引き下げがそれにどのように影響を与えるのか、興味深い結果となった。
一方で、「18歳は大人だ」と感じていると答えた割合は56%を超え、特に18~20歳の新成人層では約72.9%に達している。このデータから、法改正に伴い若年層が自己認識において大人としての意識を高めていることがわかる。
100歳まで生きたいという希望
次に、人生100年時代における意識調査の一環として、「100歳まで生きたいと思いますか?」という質問が投げかけられた。その結果、全体では31.4%が肯定的だったのに対し、新成人層の回答者は52%を超えた。この高い割合は、彼らが今後のライフスタイルを前向きに捉え、長期的な計画や目標を持っていることを示している。
新成人層に特有の価値観
調査ではさらに、人生100年時代においてどのような大人像を思い描いているのかを問うた。その結果、新成人層は「色々なことに挑戦し続ける」「長い人生で楽しみを見つける」といった価値観を持つ割合が高くなっており、他の年齢層と比べてもより豊富なイメージを抱いていることが確認された。特に「挑戦し続ける」ことや「楽しみを見つける」ことへの意識が、彼らの特徴であることが示されている。
この調査からは、若者たちが現在の社会における価値観をどのように変化させつつあるのか、またそれに基づいてどんな未来を描いているのかを理解する手助けとなる。今後、100年生活者研究所はこうした調査結果をもとに、さらなる研究と活動を続けていく予定である。人々がより前向きに長い人生を楽しむために、どのようなサポートができるかが課題となる。
まとめ
今回の調査は、人生100年時代に生きる新成人層の意識や価値観を浮き彫りにしたものであり、制度や法改正が人々の心にどのような影響を及ぼすのかを探る重要な機会となった。新成人たちが持つ希望わ大人像が、これからの日本の将来にどのような影響を与えるのか、引き続き注目していく必要がある。彼らと同じように、私たちも前向きに、長い人生を楽しみ続ける力を発揮していきたいものである。