三菱電機の革新技術が評価される
三菱電機株式会社が誇る「鉄道車両用同期リラクタンスモーターシステムSynTRACS®」が、2025 R&D 100 Awardsを受賞する運びとなりました。この受賞は、同社にとって合計28度目のR&D 100 Awardsの獲得となり、革新的な技術の開発に対する評価が顕著に高まっています。
受賞技術の特徴
この新しいモーターシステムは、業界初の同期リラクタンスモーターを搭載し、鉄道車両における省エネ化と資源の節約を実現しています。具体的には、回転子に永久磁石や希土類を一切使用せず、環境に配慮した設計が施されています。また、このシステムはモーターを制御するインバーターと一体になっており、従来の高効率誘導モーターと比較して、消費電力量を18%削減することに成功しています。
さらに、この技術は2024年度の量産化を目指す中で、過去に何度かの賞も受賞しており、環境問題に積極的に取り組む姿勢を示しています。
R&D 100 Awardsとは
R&D 100 Awardsは、アメリカのR&Dワールド社が主催し、1963年から毎年、世界中の優れた技術を表彰しています。この賞は“技術革新のアカデミー賞”とも称され、対象となるのは前年に実用化された革新的な製品です。審査は、専門家が技術的意義、独自性、実用性の観点から行います。この賞を受賞することは、企業の研究開発力を示す重要な指標となっています。
開発の背景
持続可能な社会を目指す中で、多くの鉄道事業者はエネルギー効率の良い車両の導入を進めています。そこで三菱電機が開発した「SynTRACS」は、2020年11月から取り組まれたプロジェクトです。このシステムは、最大出力450kWの同期リラクタンスモーターと、それを駆動するインバーターから成り立っています。この組み合わせにより、高効率な動作が実現され、さらなる電力損失の低減が可能となりました。
未来への展望
今後、三菱電機は今回の技術革新を踏まえつつ、次世代の鉄道車両用モーターシステムのさらなる研究開発を進めていく方針を打ち出しています。この技術は、環境負荷を軽減しつつ、顧客ニーズに応えることを目指しているため、今後も鉄道産業における新たな可能性を開く鍵となることでしょう。
三菱電機株式会社は、アグレッシブな技術革新を続ける中で、社会に貢献する新たな価値を生み出すことを目指しています。これにより、持続可能社会の実現へとつながる活動を推進しています。