「いま、日本は戦争をしている」絵本の魅力
堀川理万子氏の最新作『いま、日本は戦争をしている─太平洋戦争のときの子どもたち─』が、終戦80年目を迎える2025年7月9日に全国書店で発売されます。この絵本は、戦争という厳しい現実を子どもたちの視点から描き出すことで、今と過去を繋ぐ重要なメッセージを届けています。
絵本の内容
本書では、実際に太平洋戦争を経験した17人の子どもたちの語りが中心となっており、彼らが当時どのような感情や生活を送っていたのかを丁寧に再現しています。取材を通じて集めた実体験に基づくエピソードは、日々の暮らしに潜む恐怖や不安、さらにはそれを乗り越えようとする力強さを感じさせます。読み手は、各ページで印象的なイラストと共に語られるストーリーを楽しみながら、戦争の現実を深く考えることができるでしょう。
特に印象的なのは、東京大空襲や広島の原爆を語るエピソードなど、具体的な出来事を経て成長した子どもたちの視点。彼らの言葉は直訳された感情と、当時の空気感を存分に伝えています。
誰に届けたいのか
堀川さんは、この本を通じて「現在の世代」が戦争問題についてどう考え、どのように行動すべきかを一緒に考えてほしいと願っています。その思いは、彼女自身の経歴にも現れています。彼女は東京藝術大学でデザインを学んだ後、数々の絵本や出版物を手がけ、多くの賞を受賞してきました。その実績は、彼女がいかにして絵本を通じてメッセージを伝えることに情熱を注いできたかを物語っています。
各地での展示会
また、堀川理万子さんの絵画展と原画展が、東京と名古屋にて開催される予定です。展示が行われる場所では、実際に書かれた原画を見ることができ、アーティスト自身によるトークショーも予定されています。特に東京の松坂屋上野店では、2025年7月12日(土)にトークショーが企画されており、堀川さんの思いや絵本に対する情熱を直接聞くことができる貴重な機会です。
小峰書店の役割
この書籍を出版する小峰書店は、戦後まもなくの1946年に設立され、以来70年以上の間、子どもたちに向けた多様な書籍を手がけています。彼らは常に子どもの視点に立ち、戦争の悲惨さだけでなく、そこからどのように学び、どう生きていくかを提案してきました。『いま、日本は戦争をしている』もその一環として、子どもたちが未来に向かってしっかりと歩めるようにとの願いが込められています。
最後に
『いま、日本は戦争をしている─太平洋戦争のときの子どもたち─』は、戦争という過去の傷を抱える私たちにとって、未来をどう考えるかのヒントを与えてくれる作品です。ぜひ手に取って、そのメッセージを感じてみてください。また、展示会に足を運び、直接堀川理万子さんの作品に触れることで、さらに深い理解を得ることができるかもしれません。