江戸城の秘密を解き明かす!増上寺廣度院の練塀保存委員会が開催する東京歴史ツアー
増上寺山内最古の子院である廣度院は、2023年9月に行われた練塀の解体調査で、江戸城の練塀と同じ内部構造を持つことが判明しました。
廣度院の練塀は、江戸城造営関係資料集に記録されている「増上寺三門左右練塀」と構造が一致し、同資料集に記された練塀の存在を証明する貴重な文化財となっています。
廣度院練塀保存委員会では、江戸の街並みを偲ぶ東京歴史ツアーを開催しています。ツアーでは、浮世絵に描かれた練塀の現存する場所や、かつてあった場所を巡り、江戸時代の街並みを体感できます。
7月7日開催!「谷中銀座と観音寺の練塀散策会」
今回のツアーでは、震災や戦災の被害が少なく落ち着いた風情の谷中を散策します。山岡鉄舟や赤穂浪士ゆかりのお寺がある他、谷中のシンボルともいわれる観音寺の築地塀(国登録有形文化財)をじっくりご覧いただけます。谷中銀座での食べ歩きもお楽しみください。
開催日時: 2024年7月7日(日)14:00集合〜16:30解散予定
定員: 20名
参加費用: お一人様3,000円(税込)
集合場所: 東京メトロ千代田線千駄木駅1番出口方面改札口
締め切り: 2024年7月4日(木)
お申し込み: [email protected](廣度院練塀保存委員会)までメールにて、お名前と携帯番号を明記の上ご連絡ください。
※ツアー当日は、猛暑も予想されるため定期的に休憩箇所を設けています。水分補給の徹底や日差し対策など、参加者各自での熱中症対策もお願いします。気分が優れない場合は、無理をせずツアーガイドまたはスタッフまでお声掛け下さい。
今後のスケジュール
* 9月8日(日)開催!「勝海舟と坂本龍馬~赤坂歴史散歩」
長年、勝海舟が暮らし、坂本龍馬とも出会った赤坂をめぐります。また、報土寺では、江戸時代に築かれた築地塀をじっくり見学しましょう。
開催日時: 2024年9月8日(日)14:00集合〜16:30解散予定
集合場所: 東京メトロ千代田線赤坂駅3b出口方面改札口
廣度院練塀保存委員会では、会員を募集しています
国登録有形文化財(建造物)である廣度院表門及び練塀の保存・活用活動には、皆様のお力添えが欠かせません。歴史ある文化財の保存活動に携わって下さる仲間を募集しています!
廣度院練塀保存委員会公式LINEアカウント:
廣度院と廣度院練塀について
廣度院は、増上寺山内最古の子院です。増上寺が芝の地に移転時、三解脱門正面の角に聖聰上人の不動尊とともに移転しました。
練塀は、表門のある大門通正面(南面)左から御成道(西面)の増上寺参道の要所に廻り、江戸時代に増上寺境内一帯に存在していた往時の姿で残っています。
重要文化財資料『江戸城造営関係資料(甲良家伝来)·塗師方壁方瓦方当時時并本途内訳』にある、江戸城「西丸吹上」・増上寺「三門左右練塀」図版と構造工法が一致し、山内独自の貴重な練塀遺構であることが解明されました。
廣度院練塀は、職人の手で土と石灰などを練り、欠瓦を間に入れて築地(ついぢ)していく伝統工法で形成されています。江戸幕府作事方(大棟梁)甲良筑前守棟村が記した、『江戸城造営関係資料集(重要文化財資料)』内に、「塗師方壁方瓦方当時物幷本途内訳」があり、【練塀】と題され、図版の内部構造と工法・成分構成が記載されおり、廣度院練塀は、2023年9月解体調査により、本途内訳の図版と一致する内部構造であることが確認できました。
欠けた瓦と練土を押し固めることにより強度が増し、5層流線形(アーチ状)土面の上に瓦を渡すことで、内部の水捌けを行う役割を持つ塀であると考えられています。
また、江戸城以外にも、江戸の武家屋敷寺社仏閣に到るまで、多用されていた塀であることが浮世絵から読み解くことができます。
URL: https://neribei.com/
江戸の街並みを体感できる貴重な機会!廣度院練塀保存委員会の歴史ツアー
増上寺廣度院の練塀は、江戸城と同じ構造を持つという貴重な発見から、その歴史的価値が改めて注目されています。
今回のツアーでは、廣度院の練塀だけでなく、谷中銀座や観音寺など、江戸時代の面影を残す場所を巡り、当時の街並みを想像することができます。
特に、谷中銀座での食べ歩きは、歴史と文化を感じながら、美味しいものを楽しめる、魅力的な体験です。
廣度院練塀保存委員会は、この貴重な文化財を後世に伝えるため、様々な活動を展開しています。今回のツアーは、その活動の一環として、多くの人に練塀の魅力を知ってもらうための取り組みです。
ツアーに参加することで、江戸時代の歴史や文化に触れるだけでなく、廣度院の練塀の保存活動への理解を深めることができるでしょう。
歴史好きはもちろん、江戸の街並みに興味がある方、貴重な文化財について学びたい方、ぜひこの機会に参加してみてはいかがでしょうか。