ドローンの第一種型式認証取得に向けた耐電磁干渉試験の確立

ドローンの第一種型式認証取得に向けた試験

最近、ACSL社が目指すドローンの第一種型式認証取得に向けて、重要な一歩を踏み出した。耐電磁干渉試験系の確立に向け、アンリツ株式会社とEMCジャパン社が手を組み、強力な電磁波が影響を与える環境下での評価を行った。本記事では、この取り組みの詳細とドローン技術の進展について探求する。

第一種型式認証の重要性

ドローンが特定の条件下での飛行を可能にするためには、第一種型式認証が不可欠である。この認証は国土交通省に申請するもので、立入禁止措置を講じることなく行える特定飛行を実現するための鍵を握っている。現行の型式認証制度に従うことで、ドローンの安全性が確保される仕組みになっている。

検査要領と運用方法

型式認証取得には、検査要領が国土交通省のサーキュラーNo.8-001に規定されている。ドローンごとに運用方法と設計の特徴は異なるため、具体的な検査方法は申請者と審査者の協議によって決まる。このプロセスは、すべてのドローンが安全で信頼性の高いものであることを保障するために重要である。

実運用時の環境評価

ドローンが第一種型式認証を取得するためには、さまざまな実運用環境での評価が求められる。高出力機器の近くでの運用や、電磁波の影響を受ける状況を想定してのテストが必要だ。例えば、本評価では、ドローンの機体が高出力妨害波の影響を受けた場合の挙動を確認するため、LTE通信が用いられた。このように、環境に応じた検証が行われることで、飛行規程に必要な情報が提供される。

試験における技術的な詳細

ACSL社のドローンでは、さまざまな通信技術を駆使しており、特にLTE通信の利用が顕著だ。EMCジャパン社のテストサイトにおいて、アンリツのシグナリングテスタ MD8475Bを活用することで、高出力妨害波がかかる条件下でのLTE通信の状態を確認できる。

このシグナリングテスタは、基地局と無線通信デバイスによる多様な通信状況を再現できるもので、複雑な条件設定なしにテストを行えるユーザインタフェースを備えているため、短時間で効率的な通信試験が可能となる。

ACSL社とEMCジャパン社の取り組み

ACSL社は、日本国内で産業用ドローンの開発に全力を注いでおり、画像処理やAI技術を搭載した最先端の自律制御システムを提供している。すでに、インフラ点検や物流、防災など幅広い分野で活躍しており、その可能性はますます広がっている。

また、EMCジャパン社は、電磁的な干渉を受けずに正常に動作することを確認するための試験サービスを専門にしており、ドローンの認証取得をサポートする役割を果たしている。彼らの試験は医療や航空、鉄道など幅広い分野にも対応可能であり、ドローン技術の進化に寄与している。