新たな試み『Ki Sci Iki』が都市空間の隙間を活用
東京都渋谷区に拠点を置くAcademimicと、日建設計総合研究所(NSRI)は、公共空間を利用した研究アウトリーチプロジェクト『Ki Sci Iki(キサイイキ)』を発表しました。この取り組みは、都市に存在する未利用のスペースを研究とアートを通じて市民に開放し、研究成果をより多くの人々に届けることを目指しています。
背景と課題
学術研究の成果を広める手段として、従来の発表方式(論文、学会発表、報道など)が主流ですが、一般市民が研究に触れる機会は限られています。研究者にも「多くの人に知ってもらいたい」という思いがありながら、その伝達手段は必ずしも効果的ではありません。そこで『Ki Sci Iki』は、駅や商業施設、遊休スペースといった公共空間の隙間に目を向け、これらの場を研究のアウトリーチに利用することを考えました。
プロジェクトの概要
『Ki Sci Iki』は、研究成果をアートや展示作品として形にし、公共の場に展開することを目指します。研究内容をわかりやすく伝えるために、一般の人々と研究者、クリエイターたちが協力し、空間をどう活用するかを検討します。このプロジェクトでは、研究者の企画をアートとして具現化することで、日常生活の中で市民が研究に触れられる機会を提供します。
特に注目すべきは、2025年に仙台での実証実験を経て、さらなる都市への展開を計画している点です。この実験を通じて、駅や公共施設での展示を行い、市民と研究の偶然の接点を生み出す取り組みが進められます。今後、東京や大阪といった主要都市でも同様の展開が予定されています。
キックオフイベントの開催
本プロジェクトの始動を記念し、2025年6月25日にキックオフイベントが開催されます。「まちのすきまで科学と出会う」というタイトルで、研究者、建築・都市実務者、クリエイター、サイエンスコミュニケーターなど、多様な分野の参加者が集結します。このイベントでは、サイエンスコミュニケーションの基本や公共空間での研究発表の可能性についての講演や、具体的なアイデアを出し合うワークショップが行われます。
参加者の募集
現在、『Ki Sci Iki』では、研究テーマの提供や展示空間、企画への参加を希望する研究者やサイエンスコミュニケーターを募集中です。特に、若手の研究者や独自のテーマに取り組む方々に参加を呼びかけています。また、展示に適した空間を持つ商業施設や空間管理者の参加も歓迎しています。
おわりに
『Ki Sci Iki』を通じて、都市の公共空間が新たな研究の発信拠点となることを期待しています。市民と研究の距離を縮め、日常に研究を取り入れる新たな仕組みを築いていく試み。今後の展開にご注目ください。