住友ゴムの新たな挑戦:北海道大学との共創型研究拠点開設
住友ゴム工業株式会社は、2025年に北海道大学内に「住友ゴム イノベーションベース・札幌」を開設しました。この研究拠点は、住友ゴムの研究者と北海道大学の研究者・学生が協力し、最先端技術であるフィジカルAIを通じて未来のモビリティを切り拓くことを目的としています。
1. 研究拠点の設立背景
近年、製造業、特に自動車産業は根本的な変革の兆しを見せています。EVの普及、自動運転技術の進展、地域交通の再設計など、様々な要因が絡み合っています。このような時代背景の中で、住友ゴムと北海道大学は、共に「住友ゴム イノベーションベース・札幌」を設立することで、技術革新に寄与することを決めました。
住友ゴムは、ゴムや高機能材料の研究開発に強みを持つ企業であり、北海道大学は画像・映像認識や動画解析における高度な専門知識を有しています。これらの組み合わせにより、両者は未来のモビリティ環境を育むための新たな挑戦を開始します。
2. 価値創出のビジョン
住友ゴムは長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」を掲げ、その中で「ゴム起点のイノベーション創出」を重要視しています。この戦略の実現を支える技術としてフィジカルAIが挙げられます。このAI技術を駆使することで、人とAIによる相乗効果が期待されています。
「住友ゴム イノベーションベース・札幌」では、フィジカルAIやその他の先端技術に基づいた研究と開発が行われ、社会実装を見据えた新たな価値の創出に取り組みます。また、学生はリアルな研究テーマに触れ、自らのアイディアを自由に発信することが可能となり、将来のイノベーションを担う人材を育てる場ともなるでしょう。
3. 今後の展望
この拠点の設設立は、住友ゴムのイノベーション拠点としては2つ目となります。この先、企業、自治体、研究機関との協力関係を強めるオープンイノベーションに取り組み、持続的な競争力を持った価値創出を目指していく方針です。これにより、より多様な価値を社会に提供できる可能性が開かれるでしょう。
4. 住友ゴムと北海道大学の見解
住友ゴムは、この新たな拠点によって「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる」ことを具体化する計画です。そして、北海道大学は150年の歴史の中で培った学際的な研究を基盤に、安全かつ持続可能なモビリティ社会の実現を目指します。
以上の取り組みを通じて両者は、未来のものづくりと新たな社会的価値の創出をより一層進めていく所存です。