ニュージーランドのゼスプリ社での特別な確認会
2025年3月、パルシステム生活協同組合連合会のメンバーが、ニュージーランドの有名なキウイフルーツ生産・販売会社であるゼスプリ・インターナショナル・リミテッドを訪れました。これは、農場を視察し、有機農法を実現するための栽培手法を直接確認することを目的とした「公開確認会」の一環です。この会は、両者の20年にわたる絆のもと初開催されました。
公開確認会の背景
パルシステムがゼスプリ社との取引を開始したのは2005年で、2012年には産直提携を締結しました。2023年の訪問時に、パルシステムからこの「公開確認会」を開催しようと提案し、今年初めて目的を持った確認作業を実施しました。今回の共同訪問では、役職員だけでなく、利用者も参加しており、東京、神奈川、千葉、埼玉からの一行がゼスプリ社の農場やパッキング施設を訪れました。
生態系を活かした有機農法の実践
ゼスプリ社の生産者は、土壌の健康に特に配慮し、ミミズや微生物による土づくりに注力しています。これにより、生態系の力を最大限に利用した有機フルーツ栽培を行っています。日本の生産者たちも同行し、こうした有機農法の実践を直接見聞きしました。
公開確認会の模様は、オンラインで日本国内の参加者に配信され、延べ164アカウントがその様子を視聴しました。この取り組みは、参加者同士がリアルタイムで意見を交わせる貴重な機会となりました。
様々な報告と視察
公開確認会では、生産者の出資によって設立されたゼスプリ社の理念、事業実績、環境目標などがプレゼンテーションされ、一行は農場やパッキング施設を視察しました。また、事前に生産や品質管理に関する講習を受けた利用者が各拠点の監査を行い、環境への配慮が実践されているかを確認しました。彼らの監査項目には、理念と事業内容、栽培基準、労働安全面などが含まれています。
参加者の期待と今後の展望
専務理事の渋澤氏は、「産直提携の本質は対等な関係に基づく信頼と理解です。これをさらに深化させ、ゼスプリ社の成長を支え、有機農業の発展に寄与できると確信しています」と語り、今後の発展に向けた希望を述べました。
日本国内で消費されるニュージーランド産キウイの有機栽培シェアは現在約5%ですが、パルシステムの取り組みがその販売を引っ張っています。今回の公開確認会は、生産者と消費者が互いを尊重し、より良い関係を築く貴重な機会となったようです。トレーシーアームストロングさんは、「消費者の訪問は非常に稀で光栄です。生産者と消費者が互いの活動を尊重し、健康志向の有機栽培の重要性を共に認識することができました」とコメントしました。
持続可能な未来に向けて
パルシステムは、2025年の国際協同組合年を機に、さらに生産者と消費者の協同を進め、持続可能な生産と消費の拡大を目指す方針です。今後の取り組みに期待が寄せられます。