インパクト投資の未来を切り開くイベントが3都市で開催予定

インパクト投資を通じて地域経済を活性化

近年、持続可能な経済成長を目指し、社会的・環境的課題の解決に向けた「インパクト投資」が注目を集めています。これに伴い、官民双方からの支援が進んでおり、新たなビジョンを具現化する「インパクトスタートアップ（ISU）」に対する期待も高まっています。特に、人口減少や高齢化、過疎化など、地域特有の課題が深刻な時代において、地域経済の持続的成長を実現するためにはISUのような新たな担い手が必要です。

これまでの金融分野では、リスクとリターンの2つの軸で価値が判断されていましたが、インパクト投資はそれに加えて「インパクト」という第3の軸を導入することで、より多角的な視点での投資判断を可能にしています。この革新的なアプローチは、多くの機関投資家やベンチャーキャピタル（VC）、コーポレートベンチャーキャピタル（CVC）に採用されつつあります。しかしながら、首都圏と比較すると、地域におけるインパクト投資の実施状況は依然として限られているのが現状です。

この現状を打開するため、中国経済産業局は、中国地域におけるインパクト投資の普及を目指しています。具体的には、地域での投融資スキームに対するインパクト評価や測定を旗振りする4つの実践企業を発掘し、それらの企業が抱える課題の整理と国内の専門家との意見交換を通じて解決策を探索しています。この取り組みにより、地域インパクト投資が実践につながることを期待しています。

このほか、インパクト投資の実践を広めるための広報イベントを開催することが決定しました。近畿地域では近畿経済産業局、九州地域では九州経済産業局との共催で、地域のスタートアップエコシステムに本調査結果を活用し、インパクト投資の促進に向けた機運を醸成することが目的です。