JTOSとNearMeが共創する新たな移動サービスの実証実験
移動の自由を求める声が日々高まる中、鉄道横断型社会実装コンソーシアム「JTOS」は、新たな移動手段を提供するために、ソーシャルデザインカンパニーの株式会社NearMeと手を組みました。自治体や企業における人手不足問題や、移動手段の不足に注目し、利用者同士でタクシーを共同利用する“シェア乗り”サービスの実証実験を行います。これにより、誰もが快適に移動できる社会の実現を目指します。
背景と現状
日本において鉄道は重要な交通手段ですが、最近では人手不足や移動手段に関する課題が顕在化しています。特にタクシー業界では、2007年には約26万台が存在した車両数が、2023年には約20万台まで減少しました。このような状況において、新たな移動手段の提供は急務です。
株式会社NearMeは、2019年よりタクシーの“シェア乗り”サービスを展開し、様々な移動ニーズに対応しています。このサービスは、複数の利用者が一緒にタクシーを利用することで、効率的な移動を実現するものです。JTOSとNearMeの連携は、この“シェア乗り”を広げる一歩となります。
共創の目的
1.
持続可能な移動サービスの実現
JTOS参加企業は、駅や鉄道、不動産といった経営資源を有しています。これを活用して、鉄道利用者のための新たな移動手段を提供し、持続可能な事業モデルを目指します。
2.
地域の足問題解決
自由に移動できる地域を増やしていくことで、沿線の地域活性化を促し、様々な社会課題の解決を図っています。
実証実験の概要
実証実験では、「ミッドナイトシャトル」と名付けられた新たな移動サービスを展開します。具体的には、終電後の深夜に運行されるこのシャトルでは、利用者同士がタクシーをシェアすることによって、地域特性やユーザー動向を検証します。実験は2025年1月29日から3月末まで、西武鉄道池袋線エリアで行われます。
具体的な運行情報
- - サービス名称: ミッドナイトS-シャトル
- - 運行日: 水曜日、金曜日、土曜日
- - 運行時間: 終電後深夜1時より
- - 運行範囲: 池袋駅から小手指駅周辺まで
- - 料金システム: 地域ごとに異なる料金設定
- - 決済方法: クレジットカード決済のみ
最大6名までの乗車が可能で、ウェブサイトからの事前予約が必須です。詳細についてはNearMeのサービスページを参照ください。
NearMeの取り組み
株式会社NearMeは、自由な移動を実現するために、2019年から様々な移動サービスを提供してきました。特に最近では、AI技術を活用したルーティングの最適化を進め、ピンポイントでのマッチングサービスを展開中です。これにより、利用者が安心して移動できる環境を構築しています。さらに、経済産業省の「行政との連携実績のあるスタートアップ100選」にも選ばれるなど、近年の成長が注目を集めています。
JTOSについて
JTOSコンソーシアムは、2023年に設立され、鉄道会社とスタートアップが協力して様々な社会課題に取り組む場を提供しています。今回の共創は、仲間との協力で新たなモビリティの実現を目指す取り組みであり、未来の交通の在り方を考える大きな一歩となります。
地域の皆様の移動の自由を広げるこの実証実験が、今後どう発展していくのか注目です。