高校生が挑戦!三重の海を守るための食育プロジェクト
2024年7月、三重県熊野市で地元の高校生によるユニークなプロジェクトが行われました。一般社団法人旅する学校が主催したこのイベントは、食を通じて海の環境問題に取り組むもので、特に藻場の減少とそれに伴う生物多様性の低下をテーマにしています。
開催の背景
日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」の一環として、海の豊かさを次世代に継承することを目的としたこのイベントは、参加者の高校生が実際の海に触れながら、課題解決を考える貴重な機会となりました。今後の海の未来を担う若者たちが、どういった行動を取るべきか議論し、それに基づく体験を実施しました。
イベント概要
日程と内容
イベントは2回にわけて開催され、1回目は7月21日から23日、2回目は28日から30日の間に行われました。参加した高校生は、商品開発ワークショップや現地での藻場観察、漁業体験など、海の生態系への理解を深める活動に従事しました。
合計で34名の高校生が参加し、県立津高校や新渡戸文化高校などから集まった学生たちは、地域の漁師や食品開発のプロフェッショナルと協力し、新たな商品アイデアを模索しました。特に、藻場が減少する原因とされる植食性魚類「アイゴ」の新しい料理レシピの開発に取り組むことで、地域の特産物を使った料理に対する関心も高まりました。
商品開発ワークの詳細
高校生たちは事前に各々の学校でレシピの試作を重ね、イベント当日には実際にアイゴを使った商品をプレゼンしました。アドバイザーからは、料理の風味や食感を活かす重要性に加え、地域の食品文化を尊重したアイデアが求められることが強調されました。ユニークなアイデアや工夫がこもった試作品は、多様な家庭シーンで扱いやすいことを意識したものが並び、高評価を得ました。
漁業体験と観察会
また、実際の漁業体験を通じて身近な海の現状を理解するプログラムも実施しました。早朝4時半に集合し、漁船で実際に魚を漁る体験を行いました。獲れた魚を自らさばくことは初めての経験だった学生も多く、その新鮮な体験は記憶に残るものだったようです。
さらに、スノーケリングを用いた藻場観察では、磯焼けによる環境問題を目の当たりにし、海の生態について深く考える機会となりました。海の中の美しさや多様性を体感し、学生たちの意識がどのように変わるか期待が寄せられます。
子ども向けイベントの企画
また、3日間のプログラムを踏まえ、今後の小中学生向けのイベントに向けたアイデア出しも行われました。高校生たちは、自分たちの経験をもとに、如何にして地域の海の魅力や課題を次世代に伝えるかを話し合い、プログラム計画を立てました。これにより、自らの学びを地域社会へと還元する意義についても考える機会となりました。
参加者の声
参加した高校生からは、「アイゴのメニュー開発が印象に残った」や「スノーケリングで美しい海の中を見られた」といった感想が寄せられ、実体験を通じて多くの学びがあったことが伺えます。自分たちの世代が地域の未来をどう支えていくか、その大切さを再認識する場となったようです。
結論
このプロジェクトは、単なる商品開発にとどまらず、持続可能な未来を考えるきっかけとして、参加した高校生たちに大きな影響を与えました。海と人々のつながりを深めるための行動を今後も続けていくことが求められます。