名鉄バスがカスタマーハラスメント対策を強化
名鉄バス株式会社(本社:愛知県名古屋市、社長:瀧修一)は、従業員が安心して働ける環境を実現するために独自のカスタマーハラスメント対策マニュアルを策定しました。このマニュアルは、名鉄グループが掲げるカスタマーハラスメントに対する基本方針を基に、路線バス事業の特徴に特化した内容となっています。
カスタマーハラスメント対策マニュアルの内容
このマニュアルには、以下の重要な項目が含まれています。
1.
カスタマーハラスメントの定義と判断基準
2.
名鉄グループカスタマーハラスメントに関する基本方針
3.
正当なクレームとカスタマーハラスメントの違い
4.
カスタマーハラスメントの種類
- 時間拘束型
- リピート型
- 暴言型
- 暴力型
- 威嚇・脅迫型
- 権威型
- 職場外拘束型
- SNS・ネット上での誹謗中傷型
- セクハラ型
5.
相談・報告体制
このような内容を通じて、名鉄バスは従業員が安全に働き続けられる環境を整えることを目的としています。
啓発ポスターの掲示
2025年3月下旬から、名鉄バスの一般路線全車両にカスタマーハラスメント防止の啓発ポスターを掲示します。このポスターは、利用者に対して協力を呼びかける重要な役割を果たします。一部の車両では掲示が行われない場合がありますが、全体の取り組みとして広がりを見せています。
名札表記の見直し
従業員の名札についても見直しが行われ、2025年4月上旬より、新たに苗字のみの表記に改めます。これにより、プライバシーの保護に配慮しつつ、業務効率を高めることを目指しています。また、営業所所在地の花をデザインに取り入れ、地域に根ざしたイメージ作りにも繋がります。
録音機能付き固定電話の導入
さらに、2025年度中には録音機能付きの固定電話を名鉄バス本社及び各営業所に導入します。これにより、業務上のコミュニケーションの透明性を高め、問題発生時に役立てることが期待されます。
具体的な事例
名鉄バスではカスタマーハラスメントにどのように対処しているのか、実際の事例を挙げてみましょう。ある運転士は、降車の際に運賃箱にICカードをタッチしたお客様に声をかけたところ、突然の反発を受け、胸ぐらをつかまれたという暴力的な事例がありました。また、別のお客様は、乗車予定のバス停を過ぎたにもかかわらず、すぐに降ろすように繰り返し要求し続けた例もあります。
これらの事例を受け、名鉄バスはこのマニュアルを策定し、サービスを利用する側と従業員との双方にとって安心・安全な環境作りを進めています。今後の取り組みに期待が寄せられています。