海洋プラスチックと横浜
2025-02-14 13:21:53

横浜で開催された海洋プラスチック問題講座の内容と課題

海洋プラスチック問題理解の一歩を踏み出す



2025年2月6日、横浜市中区の象の鼻テラスで、ヨコハマ海洋市民大学の第9回講座「海洋プラスチック問題から考える循環型社会」が開催されました。このイベントは、海の環境問題に目を向け、それを解決する知識や意識を市民に持ってもらうためのもので、参加したのは50名。
この講座は“日本財団「海と日本プロジェクト」”に基づき、次世代へ美しい海を引き継ぐ取り組みの一環です。

講座の概要


講座は、元ごみ処理会社の寺井正幸さんが代表を務める「株式会社ごみの学校」の講師としての経験に基づいて進められました。寺井さんはソーシャルメディアを活用し、3年で7000名を超える人々にごみに関する知識を提供し、今なおコミュニティを育成しています。この日の講座では、海洋ごみや循環型社会に関する様々な課題が浮き彫りになりました。

最大の課題は、海洋プラスチックの現状です。講座の冒頭で示された長崎県の対馬の海洋ごみの写真には、年間32,000㎥以上のごみが流れ着いており、潮流によってはその量はさらに増えることが紹介されました。
このごみの処理は地域の大きな負担であり、限られた予算で行うことが求められています。

廃棄物の現実


寺井さんは、廃棄物処理の課題として、日本国内で年間600万トン以上の食品が廃棄され、衣類も年間33億着が使われずに廃棄される現実を訴えました。また、世界全体で年間800万トンのプラスチックが海に流出しており、日本もその影響を受けていると述べています。
これだけのプラスチックが海に流れ込む原因は、多くの人々が持つリサイクルへの誤解と知識不足です。実際、消費者が排出したプラスチックのほとんどは、海外に送られたり焼却されたりしているという現状があります。

教材「リサイクルマスター」の導入


今回の講座で特に注目されたのは、参加者が体験したカードゲーム「リサイクルマスター」です。このゲームは、5歳の子どもでも楽しく学べる内容に設計されています。ごみカードを使ってリサイクルの重要性を習得し、どのようにして資源を活用するかをゲームを通して学ぶ体験は、参加者に新たな視点をもたらしました。

海洋ごみ問題の負のループ


寺井さんは、海洋ごみ問題を「負のループ」として捉えています。リサイクルのプロセスは多様でありながらも、不法投棄や処理場での漏洩などが問題視されています。このように、日本国内でのごみ処理や意識改革も重要だと強調されました。
また、他国から輸出されたプラスチックが管理の不備から再び海洋ごみとして戻るという状況もあります。これは特に発展途上国へプラスチックを流すことで、現地の環境問題を引き起こす結果につながっています。

未来へのアクション


講座の最後に寺井さんは、海洋プラスチック問題解決は一企業だけでなく、地域の企業や住民、自治体全体が取り組むべき課題であると述べました。海洋プラスチックをリサイクルし、新たな製品として市場へ供給するには、すべての人々が意識を高める必要があります。
「ごみを通してわくわくする社会を作ろう!」という寺井さんのビジョンは、参加者に深く共感を呼び、日々の行動に結びつくような強いメッセージとして受け止められました。参加者からは「リサイクルの現状に驚いた」「リサイクルマスターがもっと広まってほしい」といった声が上がり、講座は大成功を収めました。


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