トマス・ヴェンツロヴァ自選詩集が日本に登場!
2026年7月31日、東京外国語大学出版会よりリトアニアの著名な詩人トマス・ヴェンツロヴァの自選詩集が初めて邦訳されて刊行されます。この自選詩集には、詩人自身が選んだ73篇の詩が収められており、そのすべてがリトアニア語の原典から翻訳されています。
トマス・ヴェンツロヴァの生涯
トマス・ヴェンツロヴァは1937年にリトアニアで生まれ、ソ連の影響下で反体制運動に携わりながら詩作を続けてきました。1977年に米国へ亡命した後もリトアニア語で詩を創作し続け、バルト地方や東欧の文壇で確固たる地位を築いています。彼の詩は、彼が経験した戦争や全体主義がもたらした文明の崩壊という歴史的背景と深く結びついています。
自身が「ポスト・カタストロフィスト」として認識する詩的な立場を持ち合わせ、彼の作品には亡命や崩壊した文明から新たな意味を見出そうとする姿勢が表れています。彼の言葉は常に未来への希望とそれとは裏腹な絶望を同時に孕んでいます。
日本初の邦訳、出版記念講演会も
本書の刊行を記念し、7月28日には東京外国語大学にて、翻訳者の櫻井映子氏による講演会が開催されます。その内容は、彼の詩を通して語られる「越境する言葉」と「刻まれる記憶」というテーマに焦点が当てられる予定です。この講演会は入場無料で一般公開されており、事前予約は不要です。
詩集の内容と意義
トマス・ヴェンツロヴァの詩には、特に「空虚ではあるが絶望的ではない世界」というテーマが反映されており、現代社会においてますます必要とされる深いメッセージを持っています。彼は、文明の混乱の中でも言葉の力を信じ、それを通じて新しい意味を探し続けています。
この詩集は、リトアニア文学の重要な一部を日本の読者に届けるものであり、今後のリトアニア研究の進展にも寄与することが期待されます。日本におけるリトアニア文学の橋渡しとして、ヴェンツロヴァの詩は貴重な役割を果たすでしょう。
著者と訳者のプロフィール
1937年リトアニア生まれ。リトアニア大学を卒業後、反体制活動を経て米国へ亡命。歴史的な背景から生まれた多くの作品を残し、数々の文学賞を受賞。
名古屋大学文科大学院を修了し、現在は東京外国語大学と大阪大学でリトアニア語を教える。リトアニア文学の専門家として、多くの著書を発表。
書誌情報
- - 書名: トマス・ヴェンツロヴァ自選詩集
- - 出版社: 東京外国語大学出版会
- - 発売日: 2026年7月31日
- - 価格: 3,900円(税抜)
- - ISBN: 978-4-910635-23-1
本書の刊行により、多くの人々にリトアニア文学の魅力と、その重要性が一層広まることを期待しています。学術的な視点からも、一般の読者にとっても意味ある一冊となることでしょう。