船舶産業の省人化を目指す新技術開発事業の開始

船舶産業の省人化を目指したDXオートメーション技術の開発



令和7年5月19日、国土交通省は船舶産業の省人化と効率化を目指す新たな技術開発事業を開始すると発表しました。この取り組みは、ロボットや機械を導入し、人が行っている複雑な作業を自動化することによって工数を削減することを目的としています。今回、提案があった7件の事業が採択されたという嬉しいニュースも含まれています。

背景にある問題



船舶産業は、今後世界的に建造需要が増加すると予測されていますが、同時に国際競争が激化しています。また、カーボンニュートラル船など、次世代の複雑な船舶への対応が求められている現状です。さらに、日本国内では人口減少が進んでおり、労働力の不足が懸念されています。こうした社会的な変化に対応するためには、複雑な船舶を限られた人手で効率良く建造する体制を整えることが急務です。

DXオートメーション技術とは



国土交通省では、船舶や舶用機器の製造工程において、ロボットや機械により複雑な作業を自動化・最適化する技術、いわゆる「DXオートメーション技術」を導入することで、この問題に対処することを目指しています。具体的には、人手に依存せずに生産性を高め、作業の効率化を進めることで、業界全体の競争力を向上させる狙いがあります。

採択された7つの事業



令和7年の初めに行われた事業の募集の結果、特に注目される7件の事業が採択されました。以下はその概要です:

1. 川崎重工業(株):船舶の配管製造におけるデータ収集システムの高度化とデジタルプラットフォームとの連携による生産の最適化。
2. 京浜ドック(株)及び流体テクノ(株):海上試運転時の計測業務をDX化。
3. (株)神戸機材:舶用エンジンの断熱材の寸法測定及びCADへの自動データ移行システムの開発。
4. ジャパンマリンユナイテッド(株):新燃料タンクの防熱吹付のオートメーション技術を開発。
5. (株)新来島どっく及び(株)新来島高知重工:溶接ロボットの現場適用を実現。
6. (株)名村造船所:船舶の小組立工程の自動化に向けたティーチングシステムの開発。
7. 眞鍋造機(株):大型ワークに対応した塗装ロボットシステムの開発。

まとめ



国土交通省のこの新たな取り組みは、船舶産業の生産性向上のみならず、日本全体の労働市場における課題解決にも寄与することが期待されています。今後、採択された事業がどのように実施され、効果を発揮していくのか、業界関係者のみならず、一般市民も注目していきたいところです。どうぞご期待ください。

トピックス(地域情報)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。