ワタミ株式会社、LINE活用で年10万人の焼肉来店客を実現

ワタミ株式会社のマーケティング戦略とその成果

概要

ワタミ株式会社は、近年の焼肉業界の厳しい状況を打破すべく、LINEを活用したマーケティングプラットフォーム「MicoCloud（ミコクラウド）」を導入しました。この取り組みにより、「焼肉の和民」と「かみむら牧場」で年間約10万人もの来店客を実現しており、集客の基盤が構築されています。これは、競争激化と原材料費の高騰に悩む焼肉業界において、特に注目される成功例です。

市場背景

日本のフードサービス協会によると、2024年の焼肉レストランの来店者数は前年比103.4%と、コロナ前の水準に回復しています。しかし同時に、焼肉店の倒産件数は前年比66.6%増の45件という過去最多を記録し、厳しい市場環境が続いています。このような背景の中で、ワタミ株式会社は新しい顧客層の開拓を目指し、LINEを利用した集客施策を展開しました。

MicoCloudの導入と活用方法

「MicoCloud」は、LINE公式アカウントの機能を拡張したマーケティングプラットフォームで、顧客とのコミュニケーションを最適化します。具体的には、LINE友だちの数は累計で45万人を超え、店舗ごとに友だち登録率を分析し、効果的な集客施策を講じています。LINE友だちのうち、おおよそ年間10万人が実際に来店し、数億円規模の売上を実現しています。特に、リッチメニューのクーポン一覧機能や予約ボタンなど、便利な機能が顧客の利便性を高めています。

成果と反響

LINE限定クーポンの利用は前年比1.5倍に達しており、特に「ひとりで利用できるクーポン」は高い反響を得ています。このような特定のニーズに応えたサービスが、顧客の再来店を促進していると言えるでしょう。また、店舗で実施したガチャガチャ体験や季節感を活かしたキャンペーンも、集客に寄与しています。

マーケティング本部のコメント

ワタミ株式会社のマーケティング本部より、部長の海野徹基様が「MicoCloudを導入したことで、LINE公式アカウントを通じてお客様との距離を縮め、実際に来店していただくきっかけを作っている」と述べています。スタッフもLINEの集客効果を実感しており、今後は他のSNSとの連携強化も視野に入れているとのことです。