静岡県富士スピードウェイで国産エタノールを用いた走行テストが実施されます

静岡県富士スピードウェイで実施される走行テスト

静岡県小山町に位置する富士スピードウェイでは、2025年9月9日から11日の間、国内で初めて国産セルロースエタノールを混合した低炭素ガソリン(E10)を使った走行テストが行われます。この試みは、次世代のグリーンCO2燃料技術を目指すプロジェクトの一環であり、環境への配慮と持続可能なモータースポーツの実現に向けた重要なステップです。

開発の背景

この取り組みは、日本レースプロモーションが運営するSUPER FORMULAによるものです。SUPER FORMULAはF1に次ぐスピードを誇るモータースポーツであり、2024年の開催時には過去最高の来場者数を記録しました。今回のテストは、その中で環境に優しい燃料の使用を実現し、2026シーズンに向けた基盤を築くことを目指しています。

特に、福島県大熊町で基本合意書が取り交わされたバイオエタノール燃料の製造技術研究に基づき、セルロースエタノールを用いた低炭素ガソリンの品質設計と供給を担うENEOS株式会社との協力が進められています。このように、地域と企業が協力する形でのエコフレンドリーな技術の導入が、モータースポーツ界に新たな風を吹き込むことが期待されています。

テストの詳細

今回の走行テストでは、Marvinテストドライバーによる、White Tiger SF23（選手：山本尚貴)とRed Tiger SF23（選手：国本雄資)といった開発車両が使用される予定です。テストの内容は、燃料テストに加え、タイヤ、ステアリング、センサーの動作確認など、多岐にわたります。メディア関係者を対象とした懇談会や車両見学会も同時に行われ、貴重な取材機会とされています。

報道関係者は、専用リンクから取材申請を行う必要があり、申請期限は9月8日までとされています。また、報道用の写真や動画も撮影可能で、その制作物は報道機関向けに提供される予定です。

地域振興と環境意識の向上

富士スピードウェイでの走行テストは、環境技術の進化を示す一方で、地域振興にも寄与するものです。日本のモータースポーツ界が環境問題へ柔軟に対応する姿勢を持つことは、次世代のファンを増やすきっかけともなりえます。

さらに、SUPER FORMULAはイコール・コンディションで行われるため、ドライバーの技術やチーム戦略が試される場でもあり、このようなテストは将来の進化を促す大きな一歩となるでしょう。今後も、持続可能なモータースポーツを構築していくための取り組みは続くでしょう。