AIが開発を加速!クラウドシフトがプロンプトエンジニアリング技術で特許取得
株式会社クラウドシフトは、大規模言語モデル(LLM)を活用したシステム開発において、要件定義や基本設計情報を効率的にLLMに渡し解釈させるための
プロンプトエンジニアリング技術に関する特許を取得しました。この技術により、業務システム開発におけるLLMの活用が飛躍的に進み、設計から製造、テストデバッグに至るまでの開発工数を大幅に削減することが期待されています。
特許取得の背景:LLM活用の課題
従来、LLMによるシステム開発は、プログラマとLLMが1対1で対話する形で進められてきました。そのため、システム全体ではなく、一部の機能をコーディング&デバッグし、最終的に組み合わせて完成させるという、非効率なプロセスが課題でした。
例えば、ワイヤフレームから画面のソースコードを一体生成することは可能ですが、画面上のボタンやフォームと連携する機能は別途作成し、人がClassやidを指定して画面と結合する必要がありました。このため、開発の単位が細かくなり、一貫性や効率性を確保することが困難でした。
特許技術で開発プロセスを革新
クラウドシフトが取得した特許技術は、これらの課題を解決する画期的な技術です。要件定義情報や基本設計情報(画面、画面要素、機能、DB、バッチ、外部APIなど)を階層管理し、LLMが解釈しやすい形式(Markdownやなど)に自動的に加工してプロンプトを発行します。
この技術により、以下の効果が期待できます。
統合的なソース管理: システム設計者とLLMが1対Nで連携することで、ソースコード生成段階から統合性を意識した状態での出力を実現。システム全体として統合的なコード生成とデバッグ環境を構築できます。
LLMによる設計支援: ヒアリングリストを埋めるだけで、LLMとの対話を通して設計を進めることが可能に。経験やスキルに依存せずに、設計段階での頓挫を防ぎます。
プロンプトエンジニアリングの改革: 設計ドキュメントのデータセットを元に、様々なプロンプトを発行することで、設計情報を正確にLLMに伝える仕組みを提供。機能、画面、アクターなど、様々な視点からLLMに指示を出すことができます。
テスト自動化: 階層管理された設計情報に紐づいてテストケースを作成・実行することで、テスト自動化を実現。開発の効率化と品質向上に貢献します。
未来への展望:ノーコード・ローコードプラットフォームの構築
クラウドシフトは、この特許技術を基に、システム設計者一人で大規模な業務システムを作り上げられるような、ノーコード・ローコードプラットフォームの構築を目指しています。
シンプルで対話型のUIを提供することで、情報システム部の担当者でも、社内の製造部門や経理部門にヒアリングしながらシステム開発を進められる環境を実現します。
まとめ
クラウドシフトの特許取得は、LLMを活用したシステム開発において、大きな転換点となる可能性を秘めています。この技術によって、開発現場はより効率化され、開発の民主化が進むことが期待されます。