ANベンチャーパートナーズが2億ドルで1号ファンドをファイナルクローズ!
ANベンチャーパートナーズ、1号ファンドをファイナルクローズ
2025年7月2日、サンフランシスコと東京を拠点にするANベンチャーパートナーズ(以下、ANV)は、2億米ドル(約290億円)の規模で1号ファンド「AN Venture Partners I, LP」をファイナルクローズしたことを発表しました。これは、日本のバイオテクノロジーに特化したベンチャーキャピタルファンドとしては最大級であり、グローバルに見ても過去1年間で設立された中では最も大規模なファンドとなります。
本ファンドには、株式会社産業革新投資機構(JIC)をはじめ、塩野義製薬、大塚製薬、三菱UFJ銀行、三井住友銀行など、20社以上のリミテッドパートナー(LP)が名を連ねていることも注目のポイントです。ANVのマネージング・パートナーであるホーン川嶋健氏は「記録的な規模でクローズできたことを嬉しく思っている」とコメントし、投資家やアドバイザーへの感謝の意を表しました。
ANVは、自身の仮説「日本は未発掘の革新的なサイエンスの宝庫である」を信じており、2023年12月には初の投資を実施。バイオテクノロジー企業を発掘、投資、育成することで、日本のエコシステムの発展を目指しています。まずは、自社の特性を活かし、日本発のサイエンスに基づく企業への投資を行い、グローバルに展開していく計画です。
具体的には、ANVはPoC(概念実証)以前から臨床段階に至るまで、幅広い開発ステージの企業を対象にしています。また、投資対象はアカデミア発のスタートアップ、大手製薬企業からのスピンアウト企業、あるいはその組み合わせによるバイオテクノロジー関連企業としています。ここで強調されるのは、特定のモダリティや疾患領域にとらわれず、臨床においてインパクトをもたらす可能性があるすべての領域が対象となる点です。
これまでにANVは、キャパシティ・バイオ、タイプライター・セラピューティクス、シティ・セラピューティクス、インブリア・ファーマシューティカルズなどの企業に投資を行っており、シティ・セラピューティクスは大手製薬企業との提携を発表、タイプライター・セラピューティクスは助成金を受けるなど、それぞれに進展が見られます。特に、現在秘密裏に運営が行われているステルスモードの企業もあり、その影響力が期待されています。
さらに、ANVは日本政府が推進する2030年までに日本をバイオテクノロジーの先進国にしようとする政策に賛同し、「認定ベンチャーキャピタル」にも採択されています。日本の主要大学の研究者や内閣府、関係省庁と連携し、日本のバイオテクノロジー・エコシステムの発展を目指す取り組みも進行中です。
特に注目されたのは、2024年11月に予定されている「Science-to-Startup(S2S)」プログラムの初回イベントです。約200名の科学者、起業家、投資家が参加し、日本のライフサイエンス研究を実用化するための意見交換の場が設定されます。これにより、日本の研究者たちはグローバルなベンチャーキャピタルとのつながりを持ち、自身のアイデアを発表する機会を得ることができます。
ANベンチャーパートナーズの背景
ANベンチャーパートナーズ(ANV)は、2022年に日本と米国のベンチャーキャピタリストにより設立され、両国のスタートアップエコシステムを橋渡しすることを目的としています。東京とサンフランシスコを拠点に、日本の革新的なサイエンスをグローバルに展開するための支援を行い、今後もバイオテクノロジー分野の発展に寄与していくことが期待されています。
ANVの詳しい情報や最新の動向については、公式ウェブサイト(www.an.vc)をぜひご覧ください。
会社情報
- 会社名
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AN Venture合同会社
- 住所
- 東京都千代田区永田町2丁目11番1号山王パークタワー
- 電話番号
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