創業50周年の節目
株式会社安心堂は、東京都足立区で今年創業50周年を迎えます。代表取締役の丸山有子氏のもと、地域に根差した印刷業として成長を続けてきた同社が、2023年に「東京インターナショナル ギフト・ショー」に出展し、これまで培った技術や新たな挑戦についてPRする機会を得ました。
経営改革とV字回復
2023年、創業以来最低の業績を記録した株式会社安心堂は、経営危機に直面しました。コロナ禍からの回復を期待していた時期に訪れた業績低下。丸山氏は「このままでは会社が潰れてしまう」という危機感を抱き、従来の戦略を見直す決断をしました。これまで避けていた大ロット生産の挑戦が、その新たな一手となりました。
「父の代は大ロットの注文を受けてきましたが、世の中の変化に対応して小ロット多品種へシフトしてきました。痛い目も見てきたので慎重になっていましたが、危機感から思い切った決断ができました。」と丸山氏。
取引先から従来の印刷技術に加え、特殊な技術が必要な案件の依頼が舞い込み、社員たちも新たな挑戦に取り組むことになったといいます。従業員間の「みんなで頑張ろう」という一体感が生まれ、業務環境も活気に満ちていきました。
新たな取り組みと地域貢献
安心堂はまた、地域の未来を見据えた独自の取り組みを進めています。「安心堂こどもCOMPANY」と名付けられたプロジェクトでは、足立区の児童養護施設で暮らす子供たちと共に、商品の企画から製造、販売までを行い、働くことの意味を学ぶ機会を提供しています。「小学生の頃からの思いが形になり、今度は私たちがその子供たちを支える立場に立っていることに感動しています」と丸山氏は語ります。
技術力の向上
新規の製品を手がけることで、社員たちの技術も向上しています。「毎日異なる印刷物に取り組むことで、創造力が試される環境となり、やりがいを感じています。昨年の業績低下は厳しい経験でしたが、逆境が私たちの成長を促しているのかもしれません。」と丸山氏は振り返ります。
未来へのビジョン
2024年には、創業50周年、社名変更30周年、社長就任10周年という大きな節目を迎えます。この記念すべき年を機に、足立地域の製造業の発展に貢献し続けることを誓う丸山氏は、業績の回復と地域との強いつながりを強調します。
「安心堂」は2025年2月に東京ビッグサイトで開催される「第99回東京インターナショナル ギフト・ショー」に出展し、その進化を披露します。「手動式小型パッド印刷機なんでもくん」や、それを使った印刷物を実際に見ることができる場を提供します。地域と共に成長し続ける株式会社安心堂の今後に注目です。
企業情報
- - 会社名: 株式会社安心堂
- - 住所: 東京都足立区江北3-21-6
- - 電話番号: 03-3896-6181
- - Webサイト: 株式会社安心堂
『安心堂』の将来は、地域の子供たちの未来でもある。地域活動を通じてどう先へ進むのか、注目されるところです。