DNPが新たに展開する高視認性パターンライト
大日本印刷株式会社(DNP)は、2025年6月に小型照明装置「DNP高視認性パターンライト」の量産販売を開始しいたします。この新しい照明システムは、ラインや矢印といった“パターン光”を明示な光で投影できる特長を持っており、様々な分野での使用が見込まれています。今回の量産販売は、従来の試験販売を経て得たフィードバックを活かし、ポータブルタイプのバッテリー非搭載の新たなモデルを追加したことでも注目を集めています。
1. パターンライトの背景と発展
DNPは2022年に本製品の試験販売を開始して以来、土木や建設、警備、監視といった多様な分野に向けて提供を行ってきました。特に、公共工事で使える技術として国土交通省の「新技術情報提供システム(NETIS)」に登録された「G‐スクライト工法」が、パターンライトの有効性を証明しています。この工法により、基準線や区画線を高精度で瞬時に可視化することができます。これにより、作業の安全性や効率性が一段と向上することでしょう。
2. 高視認性パターンライトの特徴
新たに開発されたパターンライトは、長さを60mm縮め150gの軽量化がなされています。これにより、設置場所に制約がある現場でも容易に使用できるようになっています。さらに、外部電源での使用も可能になるため、バッテリー残量を心配することなく長時間の利用ができます。
また、このパターンライトは、レーザー製品安全規格の基準であるクラス1に準拠し、低消費電力と明るさを両立しています。一般的なLED投影装置と同様に扱えるため、特別な設備や管理が不要な点も大きな魅力です。
3. コスト削減と効率化の実績
「G‐スクライト工法」を活用することで、従来の墨出し作業を大きく削減できる実績があります。具体的には、従来の区画線施工に比べ、コストが約21%、工程が約35%短縮できたというデータもあります。最近では建設作業に携わる人手が少なくなっている中で、DNPはこのパターンライトによって業界全体の生産性向上に寄与することが期待されています。
4. 具体的な活用例
このパターンライトは、土木・建設の現場での区画線整備や危険箇所の明示など、また災害時の避難誘導や商業施設での道案内といった多岐にわたる活用が見込まれています。さらに、自動化の分野でもロボットに搭載して周囲の環境を知らせる役割を果たすことが可能です。
5. DNPの今後の展望
DNPは、土木・建設、工場、防災、自動車など幅広い分野に向けての販売を計画しています。2030年度までに累計50億円の売上を目指し、さらなる事業拡大を図っていく方針です。現代のニーズに応える革新的な製品として、多くの企業や自治体の期待が寄せられています。
この「DNP高視認性パターンライト」が実現する新たな照明システムは、業界全体の効率化を推進し、社会的な課題解決にも寄与することでしょう。