看護師の辞めたい理由ランキング:過酷な現実と向き合う声
「人の役に立ちたい」という強い気持ちで看護師の道を選んだ人にとって、現実の厳しさに直面し、辞めたいと考えることは決して珍しいことではありません。
株式会社R&Gが実施した現役看護師182人へのアンケート調査では、実に9割以上の看護師が「辞めたい」と思ったことがあると回答しました。
では、看護師を辞めたいと感じる主な理由は一体何か?
1位は「激務すぎる・残業が多い」 で、実に52人がこの理由を挙げました。僅差の2位は「職場の人間関係が悪い」、3位は「患者や患者家族の理不尽な態度」と続きます。
これらの理由を詳しく見ていきましょう。
1位:激務すぎる・残業が多い
「定時になっても仕事の終わりが見えない」「1人で抱えきれない業務量」「休憩時間すら取れない」など、看護師の過酷な労働環境が浮き彫りになりました。
人手不足や業務範囲の広がり、そして慢性的な疲労は、看護師のメンタルに深刻な影響を与え、集中力の低下やミス、人間関係の悪化といった悪循環を生み出す可能性も。
オーバーワークが改善されない場合は、転職を検討する必要があるかもしれません。
2位:職場の人間関係が悪い
医療現場には、医師と看護師、ベテランと新人の間など、上下関係が複雑に存在します。そのため、パワハラやいじめといった問題が発生しやすいのも事実です。
アンケートでは、医師からの高圧的な態度や、ベテラン看護師からの嫌味、新人看護師の不誠実な態度など、様々な人間関係の悩みが寄せられました。
ハラスメントやいじめが横行している職場では、転職を検討すべきです。
3位:患者や患者家族の理不尽な態度
誠心誠意尽くしているにも関わらず、患者さんや家族から暴言を浴びせられたり、暴力行為を受けたりするケースも少なくありません。特に、認知症や精神疾患を持つ患者さんからの理不尽な言動に、精神的に疲弊してしまう看護師も多いようです。
一人で対応せず、医師や同僚と連携し、リスクを最小限に抑えることが重要です。改善が見られない場合は、別の病棟への異動や転職も視野に入れましょう。
4位:給料が割に合わない
「責任の重さに対して給料が安い」「長時間労働に見合った報酬ではない」と感じている看護師も少なくありません。
一方で、「大変だけど給料はいいから頑張れる」という声も聞かれます。仕事内容と給与が釣り合わないと感じたら、転職エージェントなどを利用し、納得のいく給与がもらえる職場を探してみることをおすすめします。
5位:インシデントを起こした
命に関わる仕事だけに、ミスやインシデントは大きな精神的負担となります。「またミスをしてしまうかもしれない」という恐怖から、自信を失い、辞めたくなる人もいるようです。
しかし、ミスやインシデントの経験は誰にでもあるものです。自分を責めるのではなく、原因を分析し、同じミスを繰り返さないための対策を講じることが大切です。
6位:夜勤や不規則勤務がつらい
夜勤による睡眠不足や不規則な生活は、心身に大きな負担をかけます。疲れが取れない、眠れない、体調を崩してしまうなど、様々な悩みを抱える看護師もいます。
特に、家族を持つ看護師は、夜勤明けにゆっくり休めなかったり、家族との生活リズムが合わなかったりするなど、更なる苦労を強いられます。夜勤が辛い場合は、日勤のみの勤務先を探してみるのも良いでしょう。
7位:責任・プレッシャーが大きい
看護師は、患者さんの命を預かる責任の重さから、常に気が張り詰めている状態です。「常に気を張り詰めている」「責任の重さに押しつぶされそうになる」といった声も聞かれます。
精神的な負担が大きい場合は、命に直結する患者さんの少ない診療科への転職を検討してみましょう。
看護師を続けるか、転職するか?
アンケートでは、「職場を変えて看護師を続けたい」と「看護師以外の仕事に転職したい」という意見がほぼ半々でした。
看護師を続ける道を選ぶ場合、職場環境を変えることで、激務や人間関係、待遇面など、多くの問題が解決できる可能性があります。
一方、看護師以外の仕事に転職したいと考えている人は、スキルや経験を活かせる新しい道を模索する必要があります。
まとめ
看護師の仕事は、やりがいのある反面、過酷な現実も伴います。今回のアンケート調査から、多くの看護師が、激務や人間関係、待遇面などで悩みを抱えていることがわかりました。
「どこの医療機関も似たようなもの」と思いがちですが、働きやすい職場は必ず存在します。ぜひ、あなたにとって働きやすい職場を見つけてください。