日本の食文化に深く根ざし、私たちの食卓に欠かせない存在であるお米。2023年1月29日に東京銀座で行われたお米番付第11回大会では、32の道府県からエントリーされた182品のお米の中から最優秀賞が選出されました。このコンテストは、有名な産地や銘柄にとらわれることなく、本当に美味しいお米を見つけることを目的としています。
最優秀賞に輝いたのは、北海道上川郡剣淵町の秋庭伸夫さんが作る「ゆきさやか」です。このお米は、香り、ツヤ、白さ、食感、粘り、甘さ、喉越しといった7つの基準項目をもとに厳正な審査を受け、その美味しさが認められました。審査は、食のプロたちによる人間の五感を重視した実食審査で行われ、機械を排除したことで、生産者への信頼も厚く、権威あるコンテストとして認知されています。
特別審査員には、京都の老舗米屋である株式会社八代目儀兵衛の橋本儀兵衛社長を中心に、日本料理界で名を馳せる佐々木浩氏や、フードコラムニストの門上武司氏、さらにはミシュランガイドで数々の賞を受けたシェフたちが名を連ねており、その審査の公正さと専門性が評価されています。
今回の大会での受賞者たちの顔ぶれも見逃せません。優秀賞には、佐賀県の「さがびより」、長野県の「コシヒカリ」、広島県の「いのちの壱」が選ばれています。また、入賞や敢闘賞にも魅力的な銘柄が名を連ねています。
さらに、このコンテストで選ばれた受賞米は、京都・祇園や東京・銀座の米料亭で、限られた期間中に提供される予定です。炊きたての銀シャリとして体験できるこの機会は、食通にも大いに興味をそそります。
お米番付は、実際に食べてみて初めて分かる「美味しいお米」の輪を広げる取り組みでもあります。お米の生産者と消費者をつなぐ役割を果たし、今年も多くの注目が集まっています。食事の際にお米の味を見直す良いきっかけとなることでしょう。日本の食文化を支えるお米の未来が、こうしたコンテストやイベントを通じて、より良いものになっていくことを期待します。