日本の高校生が国際科学大会で顕著な成果を収める
2025年5月10日から16日にかけて、米国オハイオ州コロンバスで開催された高校生向けの科学研究大会『リジェネロン国際学生科学技術フェア(Regeneron ISEF)2025』。この大会は75回目を迎え、世界63か国、地域から集まった1657人のファイナリストが出場しました。この度、特に注目されたのは、日本から17の研究が選ばれ、その中の2つが部門優秀賞を受賞したことです。
ISFは、世界各国で開催される提携コンテストから選ばれたファイナリストたちが集結するイベントです。日本の参加者は、国内のISEF提携コンテストである「高校生・高専生科学技術チャレンジ(JSEC)」及び「日本学生科学賞」から選出された受賞研究の中から選ばれます。今回の日本代表ファイナリストたちは、NPO法人日本サイエンスサービス(NSS)が提供する半年間の研修を受け、英語でのプレゼンテーション能力を磨いてから出場しました。
大会では、物理や化学、生物学、社会科学など、さまざまな科学分野にわたって22部門に分かれて審査が行われ、経験豊富な研究者たちが審査員として参加しました。その結果、上位25%の研究には「優秀賞」が授与されます。
受賞者の紹介
今年、日本代表の高校生からは以下の2名が部門優秀賞を受賞しました。
環境工学部門優秀賞(3等)
- - 受賞者: 西田優美奈さん(横浜市立南高等学校)
- - 研究タイトル: 糸状藻類(アオミドロ/サヤミドロ)を用いたバイオ燃料及び土壌改良材の実用化に向けた基礎研究
- - 研究概要: 西田さんは、コストが高い微細藻類をバイオ燃料の生産に利用する方法を研究しました。特にアオミドロに注目し、効率的な生産が可能であることを示しました。これにより、バイオ燃料の低コスト製造が期待されるとともに、その残渣が肥料としても活用できることを実証しました。
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物理学・天文学部門優秀賞(4等)
- - 受賞者: 田中喜大さん(筑波大学附属駒場高等学校)
- - 研究タイトル: 膜の破れによって生じ得る ウォーターベルの変形
- - 研究概要: 田中さんは、「ウォーターベル」と呼ばれる水膜の変形に関する現象を探求しました。さまざまな条件下での変形のメカニズムを数値的に再現し、理論モデルと実験結果が合致することを確認しました。この研究は、科学の根底を支えるモデル化の重要性を再認識させます。
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その他の参加研究
日本代表として参加した他の研究も注目されています。動物科学や環境科学、エネルギーなど、幅広い分野から多様な研究が展開されており、将来の科学者たちの芽が育っています。特に、環境保護やエネルギー効率といったテーマが今後の社会にどのように貢献するのか、これからの研究にも期待が寄せられます。
日本の高校生たちの革新的なアイデアと努力が、国際舞台で評価され、さらなる飛躍へとつながることを願っています。このような若い才能が活躍することが、未来の科学技術の発展に大いに寄与するでしょう。