新明和工業が描く新たな駐車技術の未来
昨今、全国各地での台風や豪雨による水害が深刻化しています。特に、冠水による車両の被害が増加している中、新明和工業が開発した「冠水対策仕様」が搭載された多段方式の機械式駐車設備「ループパーク®」が注目を集めています。
冠水対策仕様「ループパーク®」とは?
この設備の最大の特徴は、車両を地面から2メートル以上の高さに駐車できる、今までに類を見ないデザインです。これにより、特に海抜の低い地域でも冠水被害を抑えることが可能となりました。さらに、運転操作盤に加え、予備機も併設されているため、冠水が解除された後も迅速に復旧を果たせる仕様が実現されています。
具体的な特長
1.
車両の冠水防止:入庫後、ゲートが閉じると同時に車両を上昇させることで、常時2メートル以上の高さに維持します。
2.
駐車装置の劣化防止:特に水に弱い制御盤を高所に設置し、さらには防水性の高いセンサーやスイッチ類を採用しています。
3.
迅速な復旧能力:冠水後の復旧を速やかに行うための「緊急対応モード」を用意しており、保守員が安全を確認しながら操作できる仕組みになっています。
リリースされた背景
国立環境研究所によるデータから、今後も水害が増える傾向にあることが示されています。特に、過去10年間で9割以上の市区町村で水害が発生しており、これに対する実効的な対策が求められています。新明和工業は、こうした状況を受けて「安心な社会と快適な暮らしを支え続け、人々の幸せに貢献する」という企業理念のもと、この新技術を開発したのです。
ターゲット市場
「ループパーク®」の主要な販売先はデベロッパーやゼネコンなどの大手企業で、期待される初年度の販売基数は10基。価格は約35百万円(税別)となっています。
2021年2月1日より販売を開始したこの商品は、今後他の機種にも展開が予定されており、災害による被害軽減に向けて進化し続けることでしょう。
さらなる未来へ
新明和工業は、駐車システム事業の拡充と共に、自然災害対策にも積極的に取り組む方針を示しており、「ループパーク®」の成功がさらなる技術開発を促すきっかけとなるでしょう。持続可能な社会の実現に寄与する新たな一歩として、この技術が世の中にどのような影響を与えるのか、今後の展開に目が離せません。
新明和工業の公式サイトはこちら