ITエンジニア後輩指導の実態調査
2026年、株式会社キッカケクリエイションが実施した調査により、ITエンジニアの後輩指導に関する実態が明らかになりました。調査対象は、直近2年以内に後輩または部下の育成に関わった25~39歳のITエンジニア300名で、8割以上が後輩指導に負担を感じている事実が示されました。
調査結果の概要
1.
負担感の実態
調査によると、後輩や部下の指導に負担を感じると回答した方は81.4%に上ります。特に「非常に感じる」と「やや感じる」を合わせた結果がこの数字を示しています。
2.
負担の理由
負担の理由として最も多かったのは『指導が評価・給与に反映されない』というもので、その割合は48.0%。続いて『業務と並行して指導時間を確保するのが難しい』という意見も45.1%に達しました。この結果は、指導の重要性が認識されていても、評価につながりにくい状態にあることを示しています。
3.
伝えたい本音
後輩に対して「直接言えていないが本当は伝えたいこと」があるとするエンジニアは75.3%という高い数字です。その中でも、多かった回答は『質問する前に自分なりの仮説を持ってきてほしい』(52.2%)や『同じことを何度も聞かないで欲しい』(39.8%)でした。
後輩指導における成功のカギ
調査に応じたエンジニアたちが指導時に意識している点には、1on1やレビューといった二人きりの場を選ぶこと(39.3%)と、具体的な改善アクションを事前に提示すること(38.3%)があげられました。このように意図的にコミュニケーションを取ることで、スムーズな指導を目指しているようです。
また、指導における苦労の一つには『主体的に考える習慣を身につけさせること』(43.7%)が挙げられており、これは多くのエンジニアが後輩育成において重大な課題と捉えていることが分かります。
企業からのサポートの実情
さらに、32.3%のエンジニアが指導に対する会社の評価やサポートが「不十分」と認識しており、その理由として『育成カリキュラムがない』(48.5%)や『指導工数が業務として認められない』(46.4%)という意見が寄せられました。これは企業組織全体での支援体制が不足しており、個人の努力に頼った状態にあることを示唆しています。
後輩指導がもたらす成長
とはいえ、実施した調査に対し79.4%のエンジニアが『後輩指導の経験が自分の成長に役立っている』と感じているという結果も得られました。教えることを通じて自分自身の知識の整理や、技術の深化が図られているのでしょう。
課題解決に向けた提案
指導業務を正式に人事評価や業務工数に組み込み、育成カリキュラムやメンター制度を整備することが重要です。このような体制を整えることで、エンジニアのモチベーション向上や育成文化の強化につながるはずです。
まとめ
この調査から、ITエンジニアの後輩指導が個々の努力だけに依存しているという現実が浮き彫りになりました。個々の善意や自助努力に頼らず、組織としての支援や評価システムが整備されることが、今後のITエンジニア育成において必要不可欠だということが明らかとなりました。
本記事の情報は、
キッカケエージェントより引用したものです。