豊田合成が実現したリサイクルゴムの自動車部品
愛知県清須市に本社を構える豊田合成株式会社は、リサイクルゴムを高い割合で配合した新たな自動車部品を市場に投入しました。この部品は主に
ウェザストリップとして知られ、注目すべきは、トヨタ自動車の最新モデルである新型RAV4に採用されたことです。
リサイクル技術の革新
日本の自動車産業では、鉄やプラスチック部品のリサイクルが進む一方で、ゴムのリサイクルは依然として難しい課題です。これまで、ゴム廃材は焼却処分されることが一般的で、そのための
脱硫技術が必要でした。この技術は、ゴムに弾性を持たせる
硫黄結合を手放さざるを得ず、結果として強度が低下し、特有の臭いが残るといった問題がありました。
豊田合成は、自身の独自の脱硫技術を改良し続けることで、今まで5%以下だったリサイクル材の含有率を20%まで向上させることに成功しました。この新たな技術は、実用性が高いことから、トヨタ自動車からも高く評価され、新型RAV4のプロジェクトでの技術部門表彰を受けました。
環境への貢献と今後の展望
豊田合成は、リサイクル技術の発展を通じて、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けています。将来的には、ゴムホースや合成ゴムに加え、使用量が多い天然ゴムに対する技術の適用も視野に入れており、さらなる発展が期待されています。
また、廃車からのゴム回収と再生を見据えた循環システムの確立を目指し、カーメーカーとの連携も図りながら、リサイクル可能な資源の利用を進め、業界のリーディングカンパニーとなる意向を示しています。
認証と先進性
特に注目すべきは、豊田合成の生産工場である
森町工場が、持続可能な製品に対する国際認証である
ISCC PLUSを取得し、マスバランス方式を活用している点です。このような国際基準に準拠した生産方式により、製品の環境負荷を削減しながら、高品質なリサイクル材を実現しています。
まとめ
豊田合成が進めるリサイクルゴムを使用した自動車部品の開発は、エコロジーと経済性を両立させる好例となるでしょう。この画期的な取り組みは、今後の自動車業界にとって重要な一歩であり、持続可能な社会の実現に寄与するものと期待されています。