日本人成人の気管支喘息と腸内細菌叢の関係
シンバイオシス・ソリューションズ株式会社は、日本の成人気管支喘息(BA)患者に関する新たな研究成果を発表しました。この研究では、成人BAの患者群において腸内細菌叢に異常が見られることと、腸内細菌の種類に性差があることがわかりました。これまで、小児喘息と腸内細菌叢の関連性については多くの研究が存在したものの、日本人における成人BAの腸内細菌叢との関連は不明でした。
研究の概要
本研究は、日本大学医学部との共同で行われ、成人BA患者群と健常者群を比較し、双方の腸内細菌叢を詳細に解析しました。研究結果によると、成人BA群では、呼吸器疾患に関連する腸内細菌が多く、短鎖脂肪酸を生産する菌種は少ない傾向が明らかになりました。
特に、腸内細菌の種において性差が見られ、男性の患者群では、呼吸器疾患に関連する菌が優勢であるものの、短鎖脂肪酸を生成する菌が減少していることが示されました。女性の患者群でも同様に、特有の腸内細菌の存在が確認され、これが成人BAの進行に関与している可能性が示唆されます。
背景と重要性
気管支喘息は、慢性的な呼吸器疾患であり、世界中で約3億人が影響を受けています。日本における成人BAの有病率はおよそ4%とされ、特に女性患者が多いことが知られています。最近の研究では、腸内細菌の異常(dysbiosis)が喘息の発症と関連していることが複数報告されていますが、日本人を対象とした研究は限られていました。
従来、日本人特有の腸内細菌叢の構成を考慮することは、成人BAの病因解明において重要です。本研究はこの点に注目し、性差も加味して腸内細菌叢の異常の解明に寄与しました。
研究手法と結果
研究では、20歳から70歳までの成人BA患者48名および対照群の60名の腸内細菌叢を次世代シーケンサーを用いて解析し、細菌の分類群やその多様性を評価しました。男女の腸内細菌叢には有意な差が見られ、独自の特徴が認められました。特に、BA患者群は腸内細菌叢の構成に異常を示しており、呼吸器疾患に関連する菌が多く、短鎖脂肪酸産生菌は少ないことが確認されました。これにより、大人の喘息における腸内細菌の役割が新たに浮かび上がりました。
今後の展望
この研究で示された腸内細菌叢と成人BAの関連性は、今後の治療法において腸内細菌をターゲットにした新たなアプローチを可能にします。特に、性差を考慮した食事療法やプレバイオティクス、プロバイオティクスの活用が成人BAの予防や改善に寄与すると思われます。
今後、腸内細菌叢を活用した新しい治療法の開発が期待され、その研究成果は医学界で注目されています。本研究は、腸内細菌の理解を深め、多くの患者の医療に役立つ成果となることが期待されています。
研究グループ情報
本研究は、シンバイオシス・ソリューションズ株式会社の研究チームと日本大学医学部が共同で実施しました。シンバイオシス・ソリューションズ株式会社は、腸内細菌叢に基づく健康解析や機能性食品の研究開発を行うヘルステック企業として注目されています。今後も引き続き、腸内細菌と疾病との関連を追求し、多くの人々の健康に貢献することを目指します。