全二重型AIボイスボット「chai+」の特許取得
AI/DXコンサルティング企業のデフィデ株式会社(東京都港区赤坂)は、特許第7866289号を取得したことを発表しました。この特許は、RAG型AIチャットボット「chai+」に基づくもので、AIが受電対応を双方向で行うことができるプログラムです。これにより、デフィデは24時間365日の対応を実現し、一次対応の自動化率を70%、回答精度を98%まで引き上げることに成功しました。
開発の背景
コールセンターやカスタマーサービスの現場には、いくつかの大きな課題が存在しています。特に高い離職率や慢性的な人件費の増加、従来のIVRシステムへの不満が挙げられます。これらの問題を深刻に受け止めたデフィデは、新たな技術に取り組む必要がありました。
1. 高離職率
コールセンターの業務はカスハラ(カスタマー・ハラスメント)や感情労働が多く、高離職率に悩まされています。この状況では新たなオペレーターの採用も難しくなっています。
2. 人件費の高騰
月に5,000件の受電に対して、オペレーターは約3名必要で、年間の固定費は約1,200万円に達します。これは企業にとって大きな負担です。
3. 従来IVRへの不満
従来型のIVRシステムは「番号を押してください」という方式であり、高齢者や現場作業員にとっては使いにくいと不満が高まっています。これにより、顧客が途中で離脱するケースが多発しています。
特許技術の核心
特許第7866289号に基づくプログラムは、従来の「Half Duplex(半二重)」方式ではなく、「Full Duplex(全二重)」の構造を持っています。この技術は、AIとユーザーが同時に音声をやり取りすることを可能にし、割り込みや相槌などコミュニケーションの自然さをAIが再現します。
この特許技術は、特許第7851525号であるRAGエンジンと連携し、社内文書に基づいた正確な回答をリアルタイムで提供します。
3段階の検索プロセスを経て選ばれた情報のみを根拠として回答を生成するため、AIが「知らないことを知っているように答える」というハルシネーションのリスクを抑えることができます。回答の根拠をユーザーに明示することで、その信頼性が担保されているのです。
従来IVRとの比較
| 比較項目 | 従来型 IVR | Half Duplex 音声AI | chai+ Full Duplex |
|---|
| ----- | --- | --- | ------- |
| 対話方式 | プッシュ操作 | 交互に発話 | 同時双方向 |
| 自然言語の理解 | 不可 | 限定的 | 可 |
| 回答の情報源 | 事前録音のみ | 固定シナリオ | 社内文書をRAGでリアルタイム検索 |
| 24時間対応 | 可能だが質が低い | 可能 | 可能、回答精度98%で安定稼働 |
| カスハラ対策 | なし | なし | 一次対応をAIが担いオペレーターを保護 |
このように、「chai+」は従来のIVRやHalf Duplex音声AIとは一線を画す進化を遂げています。
デフィデ代表のコメント
代表取締役の山本哲也氏は、今回の特許技術について次のように語っています。「採用コストやカスハラ、24時間対応コストなど、コールセンターの構造的矛盾は表面的な解決策では改善できません。AIが人間のオペレーターのように自然な会話を実現することで、高品質な顧客体験を提供できると自信を持っています。」
サービス情報
デフィデ株式会社は、今後もこの技術を活用し、さらなるサービスの向上を目指していきます